2014 Fiscal Year Research-status Report
アポA-I模倣ペプチドによる末梢動脈疾患の多面的治療戦略
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26860591
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
今泉 聡 福岡大学, 医学部, 講師 (60609478)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アポA-I模倣ペプチド / 血管新生 / NO |
Outline of Annual Research Achievements |
C57/BL6マウスの下肢動脈の結紮、除去を行った後にレーザードップラーで虚血肢の評価を行い、結紮の部位や方法の検討を重ね、最適な下肢虚血作成の方法と安定して同程度の虚血を作成できることを確認した。次に、C57/BL6マウスおよび高脂肪食を負荷しHDL機能低下、内皮機能低下を有するC57/BL6マウス(高脂肪食マウス)の下肢動脈の結紮、除去を行い、下肢虚血モデルマウスを作成した。予備実験として5週間FAMPまたはPBS (Control群)を腹腔内投与、または筋肉内への投与を行い、レーザードップラーで下肢虚血の改善の検討を行った。その結果、腹腔内投与よりも筋肉内投与の方が虚血改善効果の大きいことを見出した。そのため、本実験ではFAMPを筋肉内投与する方針とし、通常食または高脂肪食を負荷したC57/BL6マウスにFAMPまたはPBSを5週間、筋肉内投与行い、レーザードップラーで下肢虚血の回復の程度を測定した。下肢虚血の改善は、高脂肪食を負荷しPBSで治療したマウスが最も悪かったが、FAMPの投与により、著明な虚血の改善を認めた。次に、治療後の筋肉組織の新生血管の評価をCD31染色により行い、FAMP群で新生血管が増加していることを確認した。また、治療後の血中の脂質プロファイルの検討も行った。FAMP投与による全身への影響を見るために、FAMP投与後の下肢虚血モデルマウスのHDLの機能(コレステロール引き抜き能、抗酸化能)の検討と、FAMP短期投与後の血中への血管内皮前駆細胞の動員をフローサイトメトリーで検討した。さらには、FAMPの虚血肢の機能に対する効果をみるために、Cat Walkシステムを使用し歩行機能の測定を行い、虚血作成後1週間でFAMP群がControlと比較して歩行能が有意に改善していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに、アポA-I模倣ペプチドFAMPによる下肢虚血改善作用をレーザードップラーで証明し、新生血管の評価ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は血管内皮細胞などを使用し、in vitroにおけるFAMPの血管新生メカニズムの検討を行っていく。
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Research Products
(2 results)