2014 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における分子標的薬耐性機序の解明と治療戦略の開発
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26860595
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 高明 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70516997)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ALK rearrangement / ROS1 rearrangement / Src inhibitor |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は今後臨床で使用することが期待される各融合遺伝子への薬剤に対する獲得耐性機序を解明することを目的としている。これまでの研究成果を以下に記載する。 ALK,ROS1,RET耐性細胞に共通し、気管支肺胞上皮幹細胞に元来備わるEGFRやMETを含めた生存シグナルの内で耐性株特異的に活性化している分子を同定しその発現機構を探索する ALK,ROS1,RET耐性状態において、がん細胞内で安定して生存シグナルを送るタンパクを同定することとした。これらのタンパクはHSP90のシャペロン分子である可能性が高いため、HSP90阻害の標的となる分子を検索した。 ALK遺伝子再構成を有する細胞株H3122に対して、クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ耐性の細胞株を樹立。ROS1遺伝子再構成を有する細胞株HCC78に対して、クリゾチニブ耐性株は作成中。RET遺伝子再構成を有する細胞株LC2/adに対して、ヴァンデタニブ、アレクチニブ耐性株を樹立した。まず、H3122のアレクチニブ耐性株(H3122AFR)に対してもHSP90阻害薬が有効であることを確認し、HSP90阻害薬投与前後でタンパク発現量が変化したペプチド群を、マススペクトル解析(iTRAQ)を用いて同定した。この結果をさらにタンパク質の細胞内シグナルパスウェイ解析(David)を行い、FAK/paxilin/Src/CrlII/CrkL/p130Casシグナル系の変化を確認した。今後、このシグナル系を阻害することで、耐性株に対して感受性を持つ薬剤のスクリーニングを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ROS1遺伝子再構成の細胞株HCC78の発育状況が悪く、耐性株を再度作成中で、当初の予定より遅れている。 その他の蛋白質解析、治療標的は進展があり順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が同定した治療標的に対する治療の有効性が、海外の他の研究グループから報告があり、より有効な治療開発ができるよう耐性機序の解明も併せて行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた遺伝子改変マウスの納入が遅れたため繰り越しました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子改変SV40マウス購入費に充てます。
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