2014 Fiscal Year Research-status Report
肺神経内分泌癌におけるHedgehog 経路の治療標的の可能性の探索
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26860599
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩澤 俊一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00527913)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Sonic Hedgehog pathway / smoothened / neuroendocrine carcinoma / anti apoptosis / cyclopamine |
Outline of Annual Research Achievements |
肺原発神経内分泌癌細胞株(H1155, H1299, SHP-77など)を用いて、Sonic Hedghog ligandおよびSmoothened agonistによるHedgehog経路活性化による細胞増殖能の変化や、経路内因子の発現強度の変化についてのmRNAおよびタンパクレベルでの検討を行っている。活性化ligandのみでは、現在のところ明らかな細胞増殖の変化は認められなかった。 しかしながら、同経路は抗がん薬治療などに伴う細胞死を抑制、anti-apotosisに作用することが想定されており、肺原発神経内分泌癌に対するkey-drugであるシスプラチンを用いて、ligandとの併用、もしくはHedgehog経路活性化阻害薬を用いた増殖の変化を検討した。 シスプラチンとともにHedgehog経路の中心に位置するSmo阻害薬であるcyclopamineを投与することによって、細胞死が増強される結果が得られつつある。その他にも、既に臨床応用をされているSmo阻害薬を複数用いた適切な濃度設定を行っており、Smo阻害の特異性を確認するとともに、Hedgehog経路内因子の発現変化をmRNAおよびタンパクレベルで検討している。 現時点での結果の解釈は困難であるが、Smo阻害薬を含めたHedgehog経路阻害とシスプラチンを含めた細胞傷害性抗がん薬を組み合わせることにより、細胞増殖を抑制する可能性が示唆されており、その機序の解明について複数の実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Hedgehog pathwayのactive ligandによる細胞増殖が全くみられなかったことについて、各薬剤の濃度設定の見直しや、手技的な確認に時間を要した。結果、ligandの投与のみにては細胞増殖に大きな影響を与えないことが確定した。 また、現時点で複数の新規のSmo阻害薬を用いていることから、適切な濃度設定選択に時間を要した。 タンパクレベルでのHedgehog経路内因子の発現評価のためのWestern blottingについては、因子によってはタンパク発現量が少量であることが推測されており、実際に評価が困難となっている。現在手技的な見直しによる解決を図っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で、Hedgehog経路の活性化による肺原発神経内分泌癌細胞株の細胞増殖への影響はあきらかとはなっていない。その経路内因子の発現を正しく評価することにより、ligandのHegdehog経路への作用と機序をまず明らかにしたいと考えている。その結果により、活性化・抑制について重要度の高い伝達因子を同定し、標的を絞ってより効率的に研究を推進することができると考える。 in vivo実験への移行が遅れており、研究指導者および研究協力者との連携を密にして効率的な実験の遂行と、技術的な補助を得ることとする。
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