2014 Fiscal Year Research-status Report
EGFR変異肺癌のEMTに起因する変異型EGFR選択的TKI耐性克服治療の開発
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26860603
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福田 康二 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (10722548)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | EGFR変異肺癌 / EMT / 第3世代-TKI |
Outline of Annual Research Achievements |
変異型EGFR選択的チロシンキナーゼはEGFR変異肺癌に対する次世代型EGFR-TKIとして期待される分子標的薬である。しかし、この薬剤に対しても耐性が獲得されることが予測され、これまでの研究からその耐性獲得機構としてEpithelial Mesenchymal transition(EMT)の関与が示唆された。肺癌だけでなく、乳癌、頭頸部癌においてもレセプターチロシンキナーゼの一種であるAXL高発現とEMTとの関連性が認められていることから、AXL阻害によりEMTを介した耐性が克服できるかどうかについて検証を行った。細胞株は1uM WZ4002耐性を獲得し、EMTとAXLの高発現を認めたEGFR変異肺癌株(WZ耐性株)を使用した。 まず耐性にAXL発現が関連しているかを明らかにするためにEGFR変異を有するWZ4002耐性肺癌株をAXL阻害薬R428とWZ4002との併用効果について増殖アッセイで検討した。その結果、WZ耐性株は親株と同レベルまでWZ感受性の回復を認めた。次にSi-AXLによりWZ耐性株のAXL発現をノックダウンさせた後WZ4002の効果を検証したが、耐性株のWZ感受性回復を認めなかった。別の4クローンを用いて検証しても同様の結果であったことから、R428の効果はAXL以外のオフターゲットに起因し、WZ耐性獲得機序はAXLのバイパスシグナルによるものではないことが示唆された。また、AXL発現とEMT誘導との関連性を検証するため、Si-AXL処理を行った耐性株でのEMTマーカーの発現変化についてWBで検証を行った。その結果、耐性株のAXLをノックダウンさせてもE-カドヘリン、ビメンチン発現に変化を認めなかった。以上の結果より、EMT耐性株で高発現を認めたAXLはEMTを介した第三世代EGF-TKI耐性克服の標的にはならず、AXL以外の有望な標的分子の探索が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではEMTによる耐性誘導の標的分子としてAXLに着目し、AXLが標的分子となりうるかについて検証を行ったがEMT耐性との関連性が低かった。WZ4002に加えて今後臨床開発が期待される第三世代EGFR-TKIへの耐性株を新たに樹立し、AXL以外の標的を探索することを目的に現在研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAXL以外をターゲットとしたEMT克服治療法開発を検討する。 AXL以外のEMTを誘導することで報告のあるシグナル経路のタンパクの発現とリン酸化を親株とEMT耐性株で比較し、EMTの誘導が予測される標的分子の探索を行う。また、これまでのWZ4002耐性の肺がん株に加えて、別の第三世代EGFR-TKIに耐性を獲得し、EMT誘導が見られる肺癌株も加えて検討する。 標的分子が見つかれば、in vitroで薬剤の探索を行い in vivoでの効果を検証する。
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