2014 Fiscal Year Research-status Report
活性化プロテインCによるアレルギー性疾患新規治療法基盤の開発
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26860605
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高木 健裕 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (70585174)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 活性化プロテインC / アレルギー / 喘息 / 樹状細胞 / 肥満細胞 / 凝固系 / サイトカイン / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は血液凝固阻止因子である活性化プロテインC(APC)のアレルギー性喘息における役割を気管支喘息モデルマウスや細胞株を用いて解明する事により、アレルギー性喘息の未だ知られていない部分を明らかにし、更にAPCのアレルギー性喘息における新治療薬としての可能性を見出し、臨床応用への展開を計る研究基盤を構築する事を目的とする。 これまでの研究では、抗凝固因子である活性化プロテインC (APC) の樹状細胞(DC)機能に与える影響を調べるため、実験を行って次の結果を得た:1)骨髄細胞からFlt3リガンドを用いて樹状細胞を誘導する過程でAPCを培地中に加えるとミエロイド系DC(mDC)の分化が抑制され、リンパ球系DC(pDC)の分化が促進され、それに伴い、Ⅰ型インターフェロンの産生が促進された。また、APCはLPS刺激によるmDCの成熟と炎症性サイトカインの産生を抑制した。また、APC処理した樹状細胞ではナイーブT細胞への抗原提示によるCD4T細胞の活性化・Th1, Th2細胞への分化が抑制された。以上の結果よりAPCは、喘息発症に中心的な役割を果たしている樹状細胞の機能を直接抑制することで免疫抑制効果を持つことが明らかになり、APCがアレルギー性疾患の治療薬になる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではin vitro実験に使用する細胞、試薬、マウスなどが早い段階で揃えたので順調に研究の目標が達成することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は次の実験を行う: 1)活性化プロテインC(APC)による細胞内シグナル伝達経路の制御の検討:APCによってLyn、Syc、LAT、及びITAM、Grb2、GADSの活性が制御されているかをウェスタンブロット法により解析する。 2)APCのアレルギー性喘息モデルマウス樹状細胞に及ぼす影響の検討:マウス骨髄細胞、ヒト末梢血単球からサイトカインを用いて樹状細胞を試験管内で誘導する。また、トリ卵白アルブミン(OVA)を感作した骨髄由来樹状細胞を気管内投与しマウス喘息モデルを作製する。 3)肥満細胞、好塩基球に及ぼすAPCの影響も検討を行う。
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[Journal Article] Thrombomodulin modulates dendritic cells via both antagonism of high mobility group protein B1 and an independent mechanism.2014
Author(s)
Toda M, D'Alessandro-Gabazza CN, Takagi T, Chelakkot-Govindalayathila AL, Taguchi O, Roeen Z, Munesue S, Yamamoto Y, Yamamoto H, Gabazza EC, Morser J.
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Journal Title
Allergology International
Volume: 63
Pages: 57-66
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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