2014 Fiscal Year Research-status Report
新規超高速PCR法によるウイルス性気道感染症迅速診断法の確立
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26860608
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高田 美也子 鳥取大学, 医学部, 研究員 (50523643)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高速PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザ等のウイルス性感染症は普遍的ではあるが、高齢者・合併症のある患者では致死的となりうる重要疾患である。さらに、近年ノイラーゼ阻害剤耐性ウイルスの存在も報告されている。現在、これらのウイルス性気道感染症を、その耐性も含めて網羅的に1反応で迅速の検出できる検出法は開発されていない。臨床において、迅速に薬剤耐性を含めた起炎ウイルス検出システムは強く求められている。そこで今回、PCRを約5分と非常の高速なリアルタイム装置によるプログラムを開発している。本装置は熱版の上をサンプルを封入した円盤プレートが高速に回転することで、短時間でPCRの増幅を行うものである。本装置はリアルタイムPCR検出機能も保持しているので、結果判定には電気泳動を行う必要性もない。 今までは、インフルエンザ、RSウイルスなどの単一起炎ウイルスの迅速検出キットは臨床に汎用されているが、これらは特異抗体を用いたペーパークロマトグラフィー法に基づくもので、同時多種類のウイルス検出を行うことはできない、また新型インフルエンザ、薬剤耐性ウイルスの検出などの重要な検出対象の拡大・変更には対応できない。今回開発する長高速PCR法は10分以内に臨床現場で多種類の急性気道感染症ウイルスに加えて薬剤耐性インフルエンザウイルスが一度で判定できる点、また柔軟に検出対象を拡大できるという点で極めて有用性が高いと考えられている。 本年は、今年度流行した、一般に成人における急性気道感染症の主要な起因ウイルスであるインフルエンザA型、B型についての検体を採取し抽出を行い、超高速PCRの装置の適合したプログラムの条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主なウイルス遺伝子の抽出に成功したので、今後は症例数の増加や他のウイルスも流行のピークを見て採取を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
関連病院においても発熱患者についての咽頭ぬぐい液の採取の依頼を行うとともに、実際の超高速PCRについては、ウイルスごと正確なサイクル条件を一つずつ行っていく必要がある。
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Causes of Carryover |
ウイルスの流行自体が当該年度の終わり頃ピークを迎えているため、予算の使用時期が当該年度の後半に集中したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、PCR条件検討にまつわる酵素などを中心に物品の購入を行っていく予定である。
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