2014 Fiscal Year Research-status Report
COPDにおける新規サイトカインIL-38の病態生理学的意義の解明
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26860619
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
木下 隆 久留米大学, 医学部, 助教 (90454917)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IL-38 / COPD / 豚膵臓エラスターゼ / 急性肺障害 / 薬剤性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-38は抗炎症性サイトカインと考えられ、抗炎症作用がなければ野生株に比してKOマウスでは加齢が進むのではないかという仮説をたて、自然経過における肺を含めた各臓器の変化を検討してきた。24週までの経過を評価し、IL-38 KOマウスは野生株のマウスに比べて成長速度(体重の増加)が遅い傾向(p=0.06)を示し、有意に腓腹筋の筋量の低下を認めた(p<0.05)(Fig1)。気腫化に関しては、今後解析ソフトを用いて評価する予定である。現在の結果からは、筋骨格筋に関連する役割を有する可能性があり、再実験を行う予定である。また、PPE気管内投与マウスにリコンビナントIL-38(rIL-38)を腹腔内に投与し、その効果を解析している。今後、再実験及び過発現マウスを用いて本研究を遂行する。さらに、IL-38の免疫染色に関して、IL-38はヒト正常肺胞上皮に発現を認めないが、薬剤性肺炎患者では、増殖した肺胞上皮に強く発現していた。ヒト検体で、IL-38は急性肺障害の器質期から線維化への移行を抑制する可能性がある。このようにIL-38は何らかの抗炎症に関与していることが示唆され、基礎及び臨床検体を用いて、今後の更なる検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野生株のB6マウスにエラスターゼ豚膵臓エラスターゼ(PPE)を気管内投与し、リコンビナントIL-38を毎日腹腔内投与した群と対照群(生食)の気腫病変を比較。また、同様にIL-38KOマウスにおいてもPPE投与群と対照群も比較した。しかし、両群とも気腫化の程度が同等であり、IL-38の気腫化に対する抗炎症効果が弱い可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
通常量(0.25U)のPPE投与では差がないため、希釈したPPE(0.125U、0.0625U)を用いて、再度同実験を行っている。
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Causes of Carryover |
予想された研究結果が得られず、実験に遅れが出ているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
再度実験計画を練り直し、再実験費として使用予定
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