2014 Fiscal Year Research-status Report
一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスを用いた呼吸器疾患に伴う肺高血圧症の病態解明
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26860620
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
生越 貴明 産業医科大学, 医学部, 助教 (60621232)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / 一酸化窒素 / 低酸素性肺高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸器疾患に伴う肺高血圧症(低酸素性肺高血圧症)は、未だ病態は不明な点が多く確立した治療法もない。しかし一方で肺高血圧症においては一酸化窒素(nitric oxide; NO)、NO合成酵素(NO synthase; NOS)の役割に関して不明な点は多いが、重要な役割を果たしていることが示唆されている。 本研究では、低酸素性肺高血圧におけるNOやNOSの役割の解明のため、合計5種類のマウス(野生型、n,i,eNOSシングルノックアウトマウス、NOS 完全欠損マウス: n/i/eNOSトリプルノックアウトマウス)を用いて、低酸素性肺高血圧症の詳細な病態機序を解明することを目的とした実験を行っている。 これまでに上記5種類のマウスを用いて低酸素性肺高血圧モデルを作成し、NOおよびNOSの役割についての比較検討を行った。結果は、NOS完全欠損マウスでは、野生型マウスや3種類のシングルノックアウトマウスと比較して肺高血圧の病態は有意に増悪しており、内因性NOS系が低酸素性肺高血圧に保護的に作用していることが明らかとなった。 今後はさらなるNOの詳細な機序解明を骨髄由来の細胞系などに注目し継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように、これまでに肺高血圧におけるNOおよび各種NOSの役割についての検討を行い、病理学的評価及び右心カテーテルを用いた肺高血圧の評価についてはほぼ終了した。今後はその詳細な機序について検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究費は昨年同様に、マウスの飼育費用、低酸素曝露装置維持費用、各種免疫染色用の抗体や試薬、および、ELISA、Taqman probeなどの血清や組織におけるサイトカインなどの定量的評価を行う上での試薬、その他消耗品などの購入に使用予定である。
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Causes of Carryover |
実験が予想以上に順調に進んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額については、当初の計画より踏み込んだ機序解明を行うための実験費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)