2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism contributing to atherosclerosis progression via FGF21 and insulin resistance in cardio-renal syndrome
Project/Area Number |
26860636
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北川 正史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80644377)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Endocrine FGF / 慢性腎臓病 / 動脈硬化 / 心腎連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
左室収縮機能の保持された非糖尿病CKD患者160名において、ELISAにて血中FGF21/FGF23/Klothoを測定し、心臓超音波による収縮機能である左室駆出率(EF)、拡張機能である僧帽弁輪速度(e’)、心筋重量係数(LVMI)との関係を検討した。血中FGF21/23は、e’と負相関、E/e’・LVMIと正相関し、血中FGF23はEFと負相関が見られた。多変量解析において、FGF21はe’、FGF23はEFの独立した規定因子であった。これらの結果は、収縮機能の保持された非糖尿病CKD患者において、血中FGF21は拡張機能と、FGF23は収縮機能と関連することを示唆している。 次に腎組織を使用し、腎内細小動脈への寄与因子と、全身の動脈硬化指標との関連性について検討した。腎生検98例(IgA腎症71例、腎硬化症22例、その他5例)の細動脈硝子化(AH)、動脈硬化(AS)を評価、寄与因子について検討、全身血管指標である血管内皮機能(FMD)、脈波伝播速度(baPWV)、頸動脈プラーク(maxIMT)との関係性について検討した。AHの重症度に従い、年齢、高血圧/糖尿病/高尿酸血症/腎硬化症の罹患率、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧、尿酸、トリグリセリド、空腹時血糖、HbA1cは上昇し、eGFR、HDL-Cは低下した。ASの重症度に従い、年齢、高血圧/腎硬化症の罹患率、SBPは上昇し、eGFR、血清アルブミン、Caは低下した。多変量解析では、年齢、性別、高血圧、BMIがAHと関連したが、ASと関連した因子は年齢のみであった。AH(+)群では、FMDは低値であり、baPWV、maxIMTは高値であった。ASの重症度に従い、FMDは低下し、baPWV、maxIMTは上昇した。腎内細動脈硝子化と動脈硬化病変は全身血管指標と関連するが、各々異なる因子により規定されることが示唆された。
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