2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel diagnostic modality of IgG4-related disease and study of its pathophysiology and tumoriogenesis
Project/Area Number |
26860637
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
谷口 義典 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (70584431)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 線維化 / サイトカイン / コリンエステラーゼ(ChE) / DKK-1 / IL-4 / インターフェロンγ(IFNγ) / 肉芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患(IgG4RD)患者の血清学的検査、臓器病変数、血清線維化マーカーなどと臓器予後との関連性について、昨年までに引き続き、解析対象症例数を増やし解析・評価した。方法として、第一に、IgG4RD患者(30名)の血清学的・病理組織検査および造影CT、FDG-PET/CTにて臨床所見を評価した。第二に臓器病変数に応じて、多臓器群、臓器病変限局群に分けて比較検討を行った。その病変数、線維化マーカー、臓器予後との関連についても検討した。 <結果>多臓器群では臓器病変限局群と比較して、ChEやDKK-1が低値であった。これらの低ChEおよび低DKK-1血症は線維化スコアと負の相関を示した。さらに2年間のフォローアップ解析では、ベースラインのChEやDKK-1が低値の群ほど、治療後もCTなど画像的に病変臓器の萎縮進行を認めることが示され、血清ChEやDKK-1レベルは疾患予後の新たな指標となる可能性を示唆する。 IgG4RDの腫瘍化の検討においては、IgG4RD患者では悪性腫瘍の既往もしくは疾患発症後の悪性腫瘍の発症頻度が非IgG4RD患者群に比し、有意に高く、局所的な慢性炎症と腫瘍化との関連性を考慮させる結果であり、引き続き症例を集積し解析していく必要がある。 さらに、昨年、我々は肉芽腫性変化を来すIgG4RDについて論文報告した。IgG4RDにおいて肉芽腫性変化を来すもの、来さないもの、および肉芽腫性変化をサルコイドーシスなどの患者の血清および組織サイトカインプロファイルを対象症例数を増やして検討した。血清学的には肉芽腫形成・巨細胞形成に関与するといわれているIL-4、IFNγ、IL-10、TGFβなどは、それぞれの群間において有意差を示さなかった。組織蛋白レベルにおいてはIgG4RDにおいて肉芽腫性変化を来すものは来さないものに比し、有意にIL-4、IFNγの高値を示した。
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