2014 Fiscal Year Research-status Report
新規腎線維化促進因子Angptl2の機能解明と臨床応用
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26860639
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森永 潤 熊本大学, 大学院生命科学研究部 (医), 助教 (50459210)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ANGPTL2 / TGF-β / 腎線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は腎疾患進展の予後を規定する間質線維化において、慢性炎症惹起因子であるANGPTL2 が腎線維化において強力な促進作用をもつ可能性を見出し、科学研究費助成事業(若手B)の助成金を用いて当該分子の機能解明と臨床応用のための研究を推進している。初年度は腎臓におけるANGPTL2の発現細胞の同定、誘導機構や腎線維化促進メカニズムの解明に着目し研究を行い、腎臓において尿細管細胞、マクロファージなどにおいてANGPTL2が発現すること、そしてこの分子が強力な腎線維化促進因子であるTGF-βにより誘導され、かつTGF-β1の発現誘導にも関与することを見出した。つまりANGPTL2とTGF-βは互いに増幅する関係にあり、これらの分子のかかわりが腎臓における慢性炎症とそれに伴う臓器線維化を結びつける分子機構である可能性が考えられた。研究の進捗はおおまか順調であり、申請者はこれまで得られた新しい知見をまとめ、国内および国外における学会で成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は本申請研究において複数の新しい知見を見出し、これらをまとめ論文化のための準備を行っている。以下、具体的な研究成果を列挙する。1.腎線維化においてAngptl2を発現する責任細胞の同定:免疫染色法を用いて腎臓尿細管細胞やマクロファージにおいてANGPTL2の発現を確認した。2.線維化病態におけるAngptl2 誘導機構の解明:腎線維化の強力な促進因子であるTGF-βによりANGPTL2が誘導されることを明らかにした。3.Angptl2発現と線維化促進に関わるサイトカイン発現との関連解明:ANGPTL2がTGF-βを誘導することを明らかにした。つまり、ANGPTL2はTGF-βとともにお互いの増幅サイクルを形成している可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進は、これまで得られた知見をもとに更なる分子メカニズムの詳細を解明して行くと共に、今後はANGPTL2下流シグナルの解明、腎臓における腎組織線維化の程度との関連、そしてANGPTL2抑制による治療応用の可能性など、様々な検討を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] The role of Angiopoietin-like protein 2 in renal fibrosis2014
Author(s)
Jun Morinaga, Rika Yamazoe, Terumasa Nakagawa, Yasuhiro Yoshimura, Yoshikazu Miyasato, Yuki Narita, Yoshihiro Iwashita, Miki Ueda, Teruhiko Mizumoto, Tomoaki Onoue, Kohei Uchimura, Manabu Hayata, Yutaka Kakizoe, Taku Miyoshi, Masataka Adachi, Yuichi Oike, Masashi Mukoyama, Kenichiro Kitamura
Organizer
American Society of Nephrology
Place of Presentation
Pennsylvania Convention Center
Year and Date
2014-11-11 – 2014-11-16
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