2015 Fiscal Year Annual Research Report
人工透析液製造過程における新規リアルタイム細菌検出技術の開発
Project/Area Number |
26860642
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Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
楢村 友隆 純真学園大学, 保健医療学部, 講師 (60632338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 透析液 / 清浄化 / 細菌 / 自家蛍光 / リアルタイム / 人工透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、細菌自身が有する自家蛍光を直接検出することで、染色などの前処理を一切必要とせずに水環境中の細菌を検出する技術を開発した。申請者が開発した新規リアルタイム細菌検出技術が、腎不全患者の治療に用いられる人工透析液中の細菌検出に利用できるかを明らかにし、臨床応用へと展開するための基盤技術を確立することを目的として研究を行った。 人工透析医療施設(3施設)に協力を仰いで、実際の人工透析システム中に当該システムを組み込み、インラインにて細菌をリアルタイムにモニタリングすることが可能であるかを長期間(最長1年)に渡って検証した。検証は、当該システムをパーソナルコンピュータに接続し、細菌由来の自家蛍光の有無をリアルタイムに表示、記録させることによって行った。また、表示された値と培養細菌数、蛍光顕微鏡下による直接計数との比較検討を行った。検証中、測定の際に問題となる偽陽性因子(マイクロバブル等)、偽陰性因子(自家蛍光強度の弱い細菌等)の探索および対策を行い、透析液製造中に存在するマイクロバブルは殆ど影響を及ぼさないことを確認した。また、自家蛍光強度の弱い細菌を検出するため、レーザ光の出力を変更し、検討を継続した。 結果、培養不能な細菌を検出するため、その値は培養法よりも高値を示したが、培養細菌数との相関は良好であり、蛍光顕微鏡下で計数した細菌数と近似値を示した。また、長期使用下でも精度よく細菌が検出されることが確認され、本研究により、新規リアルタイム細菌検出技術は、臨床にて十分に応用可能であることが示された。
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