2015 Fiscal Year Annual Research Report
視神経脊髄炎におけるAQP4内在化を介したアストロサイト傷害分子メカニズムの解明
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26860656
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 修平 東北大学, 大学病院, 助教 (60636017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 視神経脊髄炎 / アストロサイト / 補体非依存性細胞傷害 / 補体依存性細胞傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
視神経脊髄炎特異的自己抗体(NMO-IgG)によるアストロサイト傷害は、従来からの補体依存性傷害に加え、補体非依存性傷害の存在が病理学的検討から推測される。特に、アストロサイトの軸索伸長や細胞接着に関わるタンパクや、仮足を形成するタンパクがAQP4と共に内在化し傷害される機序が推定され、その詳細な分子機序を明らかにすることが本研究の目的である。また、近年その臨床像が明らかとなってきたNMO-IgG陰性視神経脊髄炎についても同様のアストロサイト傷害が引き起こされるか、そのメカニズムを明らかにすることも目的としている。 NMO-IgGは補体依存性・補体非依存性にアストロサイトを傷害するという仮説のもと、NMO-IgGによるアストロサイト仮足や軸索の機能的・形態的変化、その促進因子・抑制因子をIn vitroモデルを用いて検討した。 NMO-IgG陽性NMO患者より抽出した精製IgG(NMO-IgG)によりアストロサイト培養細胞が傷害されるモデルを作成、それによりアストロサイト膜上AQP4がNMO-IgGにより内在化し傷害されていくプロセスを多角的に確認できた。これらは、細胞接着因子にも作用し、細胞形態にも変化を与えた。この現象は正常血清や対象疾患群患者血清では見られなかった。また、補体依存性細胞傷害においては補体防御因子、特にCD55とCD59が補体による細胞傷害を減弱していることが明らかとなった。この研究結果は投稿中である。他にも、NMO-IgG陽性NMO患者脳脊髄液中LDHもGFAP同様に上昇することが明らかとなった。また、NMO-IgG陰性NMO患者にもアストロサイト傷害を示唆する脳脊髄液中GFAPの上昇を認める例があることが明らかになった。こちらは患者検体をさらに収集し解析を続けている。
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Research Products
(3 results)