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2014 Fiscal Year Research-status Report

脳アミロイドアンギオパチー関連炎症の病態機序の解明とバイオマーカーの確立

Research Project

Project/Area Number 26860664
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

吉倉 延亮  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80585654)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords脳アミロイドアンギオパチー / 抗Aβ抗体
Outline of Annual Research Achievements

これまで65歳以上の高齢者を対象として、51人のデータの収集を行った。内訳としてはアルツハイマー型認知症(AD) 35名、軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment;MCI) 16名で、このうち画像所見の特徴などから脳アミロイドアンギオパチー(Cerebral Amyroid Angiopathy;CAA)としてBoston Criteria for Diagnosis for CAAでprobable以上に相当する症例は7例(いずれもAD患者)であった。CAA related inflammation(CAA-ri)としては4名の蓄積があった。これらの症例に対して、血液検査および髄液検査を行い血清抗Aβ抗体、髄液Aβ42、髄液抗Aβ抗体、髄液リン酸化タウを測定した。
結果は、血清抗Aβ抗体価はAD 9.65±9.46、MCI 8.86±3.90、CAA 10.1±6.54、CAA-ri 25.2±29.0、髄液Aβ42についてはAD 326.0±206.3 pg/ml、MCI 251.6±179.3 pg/ml、CAA 279.1±123.3 pg/ml、CAA-ri 160.4±45.2 pg/ml、髄液抗Aβ抗体価についてはAD 1.29±0.76、MCI 6.95±20.9、CAA 1.46±1.08、CAA-ri 31.0±46.0、髄液リン酸化タウについはAD 81.3±32.8 pg/ml、MCI 60.3±24.8 pg/ml、CAA 51.4±19.6 pg/ml、CAA-ri 36.3±11.0であった。
今後CAA-riと鑑別上問題となる他の疾患においても抗Aβ抗体を測定し、比較検討する。CAA-riはこれまで確定診断には脳生検による病理組織診断を必要としていたが、より侵襲の少ない髄液検査で診断が可能となる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

65歳以上の高齢患者全体としてはほぼ予定通り症例が蓄積してきている。しかしCAA、CAA-ri患者の蓄積は当初の予定よりもやや遅れている。侵襲をともなう検査である髄液検査への同意が得にくいことが影響していると考えられる。またCAA-riがまれな疾患であることや、現時点では病理組織学的な診断を必要としていることと関連していると考えられる。しかし、徐々に症例は集まってきておりH27年度中は昨年度同様に症例の蓄積を進めていくことで、期間内には目的の症例数が集まると見込んでいる。H27年度は髄液マーカーの測定に加えて、サイトカインの測定を予定通り行うことができると考えている。
また統計処理はまだ行っていないものの、現在までに集まっている症例での検討においても既に、CAA-riにおける髄液抗Aβ抗体価は他群に比較して有意に高い傾向がみられていることから、症例が蓄積していくにつれて確実な結果が得られると考える。
以上からおおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

CAAはアルツハイマー型認知症の合併が多いため、まずはADを含めた認知症患者を多く集めることで、その中に含まれるCAA患者を抽出していくのがよいと考える。認知症症例をより多く集めるためには関連施設とも協力を進めていく。
CAA、CAA-ri患者における各種髄液所見と、臨床(神経心理検査)および画像所見(微小出血、白質病変)との関連性について検討していく。
また、先行研究においては病理学的に診断されたCAA-ri患者の髄液中において抗Aβ抗体の上昇以外にはIL-2、IL-6、IL-8、IL-10、IFN-γなどの上昇が指摘されていることから、本研究においても前述のものを含む髄液中のサイトカインを測定し、免疫療法による推移や臨床ならびに画像所見との関連性について検討する。
さらにCAA-riの病態において抗Aβ抗体以外の血管壁構成分子に対する自己抗体の関与についても検討する必要がある。ヒト大脳微小血管内皮細胞もしくはヒト脳血管平滑筋細胞を抗原とする免疫沈降法を用いて、CAA、CAA-ri患者の血清に含まれる新規自己抗体の検出と同定を行う。また、同定された自己抗体の特異性や病態との関わりについて検討する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 脳アミロイドアンギオパチー関連炎症における臨床および髄液所見の検討2014

    • Author(s)
      吉倉 延亮
    • Organizer
      神経免疫学会
    • Place of Presentation
      金沢歌劇座(金沢市)
    • Year and Date
      2014-09-04 – 2014-09-06
  • [Presentation] アルツハイマー型認知症におけるmicrobleedと臨床所見との関連性の検討2014

    • Author(s)
      吉倉 延亮
    • Organizer
      神経学会総会
    • Place of Presentation
      福岡国際センター
    • Year and Date
      2014-05-21 – 2014-05-24

URL: 

Published: 2016-06-01  

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