2014 Fiscal Year Research-status Report
iPSマクロファージを利用したアミロイドポリニューロパチーのアミロイド除去療法
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26860673
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高松 孝太郎 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50706447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アミロイド / 家族性アミロイドポリニューロパチー / マクロファージ / iPS 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性アミロイドポリニューロパチー患者のリンパ球がトランスサイレチンに対してどのような作用をおよぼすか検討するために、フローサイトメトリーを用いてリンパ球を解析した。家族性アミロイドポリニューロパチー患者由来リンパ球では、健常人由来リンパ球と比較して炎症性 T 細胞であるインターフェロン-γ 陽性 細胞 (CD4+ および CD8+)が増加する傾向を認めた。より効率的にトランスサイレチンを除去するマクロファージを検討するために健常人由来のCD14+細胞をM-CSF存在下で7日間培養したのちに、それぞれインターフェロン-γ もしくは IL-4 および GM-CSF 存在下で培養後にトランスサイレチン(野生型および異型)を添加した。添加後にマクロファージから産生されるサイトカインを Bioplex assay をもちいて解析したところインターフェロン-γ 存在下で分化誘導されたマクロファージ細胞(M1 マクロファージ)は炎症性サイトカインであるIL-1β, IL-6, IL-15の産生が増加していた。一方ではIL-4およびGM-CSFにより誘導されたマクロファージ(M2マクロファージ)では、炎症性サイトカインが減少する傾向があった。トランスサイレチンの除去に関しては、炎症作用を強力に有するM1マクロファージがより効率的である可能性がある。健常人由来のiPS細胞よりマクロファージを分化誘導、トランスサイレチンと共培養をおこない、トランスサイレチン量が減少することが確認できており、今後はより分解活性が高く、神経保護作用が期待出来うるiPS由来マクロファージの分化誘導法を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、分化誘導後にストックしたiPS細胞によりアミロイド分解活性が確認できていたが、実験を繰り返しおこなったところ、分解活性にばらつきが確認された。このため再度iPS由来マクロファージ細胞をiPS細胞より分化誘導する必要性が生じている。今後はモデルマウスで治療実験を行いたいと考えているが、適切なモデルマウスの作成、選択が目的の達成のためには必要不可欠である。
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Strategy for Future Research Activity |
iPSマクロファージ細胞にアミロイド分解効率を増加させるプロテアーゼ、抗体を遺伝子導入することでより効果的にアミロイド除去効率を高めることをおこなっていく。マクロファージの分化誘導あるいは培養条件を検討することでアミロイド除去効率を増強させるべく条件を検討していく。治療実験としてより効果が期待できるマクロファージ細胞を用いて治療実験をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
本年度は in vitro での実験を主におこなったため、現段階では治療実験として検討している動物実験の準備が整っておらず、購入資金および飼育費用が余剰している。今後は動物実験を検討しており、次年度使用額として必要となってくる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
家族性アミロイドポリニューロパチーモデルマウスの作成、購入および飼育費用として使用する。
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Research Products
(1 results)