2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26860676
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小野 さやか 自治医科大学, 医学部, 助教 (10438640)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / すくみ足 / 青斑核 / ノルアドレナリン / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD) におけるすくみ足は, 固縮・寡動・振戦などの運動症状とは独立した障害と考えられている. ノルアドレナリン神経系の関与も示唆されている. すくみ足と青斑核の関連を芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)に対するリガンド6-[18F]fluoro-m-tyrosine (FMT)を使用した高解像度のpositron emission tomography (PET)計測により検討した.対象は特発性のPD患者で,運動症状はUPDRSのPart3により, すくみ足はFreezing of gait questionnaire (FOGQ) により評価した. FMTを静注後,PET-CT装置で撮影しvolume-of-interestを尾状核, 被殻, 青斑核,側坐核に設定した. 各部位と小脳とのFMT集積比を計算し, FOGQとの関連を検討した.PD患者の青斑核のFMT集積は罹病年数と共に低下した. UPDRS運動スコアと青斑核FMT集積は逆相関を認めたが,被殻FMT集積でより強い相関を認めた. FOGQと青斑核FMT集積も逆相関を認めたが,被殻FMT集積と比べより強い負の相関が認められた. FMT-PETを使用したin vivo解析により, PDにおけるすくみ足の発現は, ノルアドレナリン機能を反映すると考えられる, 青斑核AADC活性の低下と関連があることを明らかにした. また,PD患者において遂行機能障害や視覚認知機能障害をはじめとした認知機能障害が効率に合併することが知られており、尾状核機能との関連が推測されている.ハノイの塔などの神経心理検査及びPET解析を継続している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳内のノルアドレナリン神経の起始核である青斑核の機能とPDにおけるすくみ足との関連について評価と検討を行い,学会発表を行うことができた。現在論文投稿に向けて準備している。解析については現在継続しており引き続き, 尾状核と側坐核機能と認知機能との関連を検討を行ってゆく.
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Strategy for Future Research Activity |
PDにおける認知機能障害,衝動行動,歩行障害,睡眠障害などの周辺症状は,尾状核,側坐核を含む腹側線条体,脳幹の青斑核・縫線核との関連が推察されているが、これらの脳部位のドパミン機能の評価を引き続きPET解析ソフトであるPMODを用いて行ってゆく.
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Causes of Carryover |
神経心理検査を追加しより詳細にデータの収集と解析を行っている.費用面の負担が少ない検査であり次年度以降にFMT-PETの施行患者数や必要薬剤・PET解析費用が掛かる見込みである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に続いてFMT-PET計測と神経心理学的評価を継続し、非運動症状と線条体各部位の関連を解析する。
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