2014 Fiscal Year Research-status Report
先天性筋ジストロフィー症の脳形成異常における糖鎖機能の解析
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26860682
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
山田 健之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40725199)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖鎖修飾 / 神経分化 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳形成過程におけるO-マンノース型糖鎖の機能の解明を目的とし、研究を進めている。当初の研究計画を変更し、POMT1(f/f)マウスの受精卵よりES細胞を樹立し、O-マンノースが神経系細胞の分化に与える影響について解析を行うことにした。 まず、コントロールとしてwild typeのマウス受精卵よりES細胞の樹立を試みた。受精後冷凍保存しておいた卵細胞を解凍後、3日間培養し胚盤胞を形成させた。その段階で内部細胞塊を取り出し繊維芽細胞上で培養・増殖させた。その結果、Oct4, Sox2, Nanog, Rex1, Klf4陽性のES細胞を樹立することに成功した。次に、POMT1(f/f)マウス受精卵を用いて同様の方法でPOMT1(f/f) ES細胞の樹立を試みた。しかし、この受精卵では胚盤胞まで発生が進むものが極端に減少し、また形成された胚盤胞から内部細胞塊を取り出し培養をしても、増殖しなかった。この問題を解決するために、受精卵の培養液の種類、そこに添加している血清代替品の種類、受精卵の密度など様々な条件を検討したが、問題を解決することが出来なかった。 そこで、ES細胞の樹立を諦め、当初の計画に基づきPOMT1(f/f) iPS細胞の樹立を試みることにした。まず胎生13日目のPOMT1(f/f) マウスを母体より取り出し、繊維芽細胞(MEF)の初代培養を行った。この MEF細胞を30回程継代することにより、不死化能を獲得したPOMT1(f/f) MEFの作製に成功した。この細胞にERT2-Creを発現するプラスミドを恒常的に発現させ、4-OHTを添加することによりPOMT1を欠損することが出来るMEFを樹立するため、POMT1(f/f) MEFにpcDNA3-ERT2CreERT2プラスミドを導入し、株化を行った。現在、POMT1を欠損するための4-OHT濃度の決定を行っている。 今後、この細胞にOct4, Sox2, Klf4, c-Mycを導入しiPS細胞を樹立し(1)、研究を進める予定である。 (1) K Okita, et al., Nat. Protoc. (2010) 418-428
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画を変更し、ES細胞を樹立し研究を進めようと試みたが、条件検討を重ねてもうまく行かなかった。その後、ES細胞の樹立を諦め、iPS細胞の樹立を行う方向で研究を進めているが、計画よりも研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めているiPS細胞の樹立が出来次第、早急に神経分化への影響の解析を進める。また、同時に神経系細胞の性質の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
購入決定時の金額より、値引きが発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通り実験を進めていく上で、使用していく。
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