2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26860697
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 叔史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90622598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低酸素 / 糖尿病 / 膵β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、糖尿病マウスにおいてβ細胞低酸素の存在を初めて明らかにした(Sato Y. JBC 2011)。しかし、糖尿病時にβ細胞がどのような機序で低酸素化されるか、また低酸素がどのようなβ細胞障害性を示すか、糖尿病におけるβ細胞低酸素の病態的意義は未だ不明である。本研究では、①低酸素が引き金となって起こるβ細胞障害メカニズム(分泌不全、細胞死など)の解明を目指すと共に②低酸素イメージングが可能な糖尿病モデルマウスを作成し、糖尿病の発症進展におけるβ細胞低酸素の出現と成因を明確にすることを目的とする。 平成26~27年の期間で、①に関する検討から低酸素によりβ細胞機能(インスリン分泌)に関与する遺伝子(転写因子、糖輸送体、チャネルなど)の発現が低酸素応答因子HIF-1を介さずに低下することを見出しβ細胞機能低下に繋がることを報告した(Sato Y. PLOSONE 2014)。更にDNAマイクロアレイによる網羅的解析により低酸素でHIF-1非依存的に調節される遺伝子を同定した。細胞の低酸素応答においてHIF-1による制御機構はよく研究されているが、HIF-1非依存的な応答経路について詳しく解析されていない。本研究を発展させることでHIF-1以外の新たな制御機構を見出せる可能性がある。②に関する検討から低酸素イメージング可能な2種類の肥満糖尿病モデルマウス(ob/obマウス、db/dbマウス)を作製し、それぞれのマウスが著明な肥満と高血糖を呈することを確認した。糖尿病の低酸素病態を明らかにするための有力なツールとなることが期待される。しかしこれらのマウスは繁殖能力が低く、個体数の確保が難しいことが判明した。今後マウス個体数を確保し、膵島低酸素のタイムコースおよび酸素代謝に関して検討する必要がある。
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Remarks |
研究内容および研究業績は以下のURL(ホームページ)で情報を公開している。
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[Journal Article] High resolution imaging of intracellular oxygen concentration by phosphorescence lifetime.2015
Author(s)
Kurokawa H, Ito H, Inoue M, Tabata K, Sato Y, Yamagata K, Kondoh S, Kadonosono T, Yano S, Inoue M, Kamachi T.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 5
Pages: 10657
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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