2016 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病患者における重症低血糖が及ぼす臨床的影響
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26860701
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| Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
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Principal Investigator |
辻本 哲郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医員 (60721743)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 糖尿病 / 重症低血糖 / β遮断薬 / 心血管イベント |
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| Outline of Annual Research Achievements |
最近の研究で重症低血糖は心血管疾患の発症や死亡率の上昇と関連することが示されている。その原因については、重症低血糖による交感神経系の亢進や活性化が一因と考えられている。そして、重症低血糖時には重症高血圧や低カリウム血症を高率に伴うことが知られている。最近の基礎研究においてβ遮断薬使用により重症低血糖時の著明な血圧上昇や低カリウム血症を防げる可能性が示唆されている。我々の研究においても重症低血糖患者を対象にβ遮断薬使用中の糖尿病患者においては重症高血圧や低カリウム血症を呈するリスクが低下することをMedicine (Baltimore). 2015 Sep;94(39):e1629.に報告している。
ACCORD試験では厳格な血糖管理が標準的な血糖管理より死亡のリスクが有意に上昇したが、低血糖が死亡リスク上昇に関与していることが疑われている。ACCORD試験はその後のサブ解析において厳格な血糖管理で虚血性心疾患のリスクが減少していたことが報告され、厳格な血糖管理にも一定の治療効果を認めるものであった。そこで、β遮断薬使用中の患者においては厳格な血糖管理は低血糖の悪影響が出にくく、死亡を増加させずに心血管イベント低下につながりうるのではないかと考え、ACCORD試験のデータベースを用い科研費のサポートを受け研究を実施した。結果は仮説を支持するものであり、β遮断薬使用中の患者において厳格な血糖管理は標準的な血糖管理よりも死亡のリスクを上昇させることなく心血管イベントのリスクを減らしていた。一方、β遮断薬使用していない患者においては厳格な血糖管理で有意に死亡のリスクを増やしており、心血管イベントリスクは低下していなかった。この結果はDiabetes Careに報告した(Diabetes Care 2016;39:1818)。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究結果をpeer review systemのあるジャーナルに投稿し、糖尿病領域のトップジャーナルにアクセプトされており、研究は非常に順調に進んでいると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
β遮断薬は低血糖後の悪影響は軽減できる可能性があるが、無自覚低血糖や重症低血糖のリスクになる可能性もあり、そのリスクとベネフィットを考慮し糖尿病患者のβ遮断薬の適応を考える必要がある。
糖尿病治療においてβ遮断薬の使用が心血管イベントの発症にどの程度影響を与えるかさらに研究を進めていく予定である。
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| Causes of Carryover |
論文に向けて順調に進んでおり、いくつか論文化もできているが、論文掲載料や論文のアクセプトされる本数により次年度使用額が生じたと考えられる。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今まで以上に積極的に論文化に向けて取り組み、医療のさらなる向上・進歩につながるよう努力していく。
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Research Products
(3 results)
