2014 Fiscal Year Research-status Report
インフラマソーム結合分子の解析による新規シグナル経路の探索
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26860710
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川島 晃 自治医科大学, 医学部, ポストドクター (60624913)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキチン化 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、タンパク複合体インフラマソームの分子の同定によって炎症機構であるインフラマソーム活性化機構の解明と、内分泌・代謝疾患モデルマウスを用いた治療標的の選定を行なうことである。 まず、インフラマソームの単離とインフラマソーム自身の質量分析を行ない、インフラマソームを構成する分子の網羅的な同定を行なった。ヒト単球由来の細胞株THP-1細胞に蛍光標識したインフラマソーム構成分子ASCを強制発現させた細胞株を作成した。インフラマソームの活性化により出来るタンパク複合体インフラマソームを凝集した蛍光を指標にして、インフラマソームの単離を行なった。MALDI TOF-MSを用いて単離インフラマソームの質量分析を行なった結果、未知のインフラマソーム構成分子の候補が得られた。候補分子の一つであるE3ユビキチンリガーゼ分子に着目して研究を行なった。 同定されたE3ユビキチンリガーゼを分子Xとする。THP-1細胞にレンチウイルスを用いて分子Xの強制発現細胞株とCRSPR/CAS9を用いた分子Xの遺伝子欠損細胞株を作成した。分子Xは、既知のインフラマソーム構成分子のひとつに特異的に結合し、ユビキチン化し、分解を促進していることを明らかにした。また、THP-1の分子X遺伝子欠損株ではインフラマソーム構成分子のひとつのタンパク量が増大し、インフラマソーム活性化によるサイトカイン産生が増強する結果を得た。これより分子Xは、ユビキチン化によるインフラマソーム構成分子の分解を介して、インフラマソーム活性化に抑制的に働いていると考えている。現在、上記の結果の詳細を確認して論文投稿の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標の一つである、インフラマソーム活性化機構に関与する新規機能性分子の同定を行なうことが出来た。現在新規機能分子によるユビキチン化や分解誘導の働きに関して詳細に解析し、論文投稿しようとしている。 27年度の研究計画のひとつである内分泌・代謝疾患モデルマウスに対する影響は、上記の機能分子の働きを詳細に解明した後に行なおうとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
インフラマソーム構成分子群から同定した新規機能性分子の機能解析を進めている。現在は細胞株を用いた解析を中心に進めている。その後、インフラマソームの関与する内分泌・代謝疾患モデルマウスに対してウイルスベクターを用いて目的分子の遺伝子組換をした骨髄細胞の移植を行い、解析を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、インフラマソーム構成分子群の中から見つかった新規の分子の解析を行なう。去年度は、主に細胞株を使った検討を行なってきたが、今年度より細胞株に加えてマウスを用いた実験を計画している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.前年度より引き続き、新規インフラマソーム構成分子の解析の為の細胞株を用いた実験を行なう。 2.本年度よりマウスを用いた解析を加えて行なう。 3.本研究内容の学会・論文発表を行なう。
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