2015 Fiscal Year Annual Research Report
(プロ)レニン受容体を介した下垂体前葉ホルモン調節機構の解明
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26860711
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
谷 祐至 北里大学, 医学部, 助教 (30456214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 先端巨大症 / 下垂体腫瘍 / プロレニン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
先端巨大症やクッシング病など下垂体ホルモンの異常をきたす代表的疾患では、治療の第一選択は下垂体腫瘍摘出術である。しかし、海綿静脈洞への浸潤を伴い全摘が困難な症例や再発例も経験する。薬物療法は経過中に薬剤抵抗性を示すこともあり、新たな治療標的分子が求められる。組織レニン・アンジオテンシン系で重要な役割を担う(プロ)レニン受容体(PRR)は下垂体に発現しているが、その役割は全く不明であった。そこで下垂体摘出腫瘍においてPRRの発現を免疫染色で確認したところ、GH産生腫瘍(次いでACTH産生腫瘍)で強い染色性を示した。臨床データとの比較検討では、PRRの染色性と血中GH、IGF-I、75g-OGTTのGH底値、との間に正相関を認めた。次に、ラット由来GH産生下垂体腫瘍細胞株(GH3)を用いてGH産生・分泌への影響を検討した。蛍光免疫染色ではPRRは、主にERやgolgiと、一部に形質膜への共局在を示した。PRRのノックダウンでは、酸性オルガネラの減少、細胞内GHの貯留と上清中GHの低下を認めた。V-ATPase阻害剤(Bafilomycin A1)はPRRのノックダウンと同様、細胞内GH貯留と上清中GHの低下を認めたことから、PRRはV-ATPaseの機能を介してGH分泌に関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)