2016 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic analysis of megakaryopoiesis and platelet function
Project/Area Number |
26860718
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上妻 行則 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90550145)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血小板 / 巨核球 |
Outline of Annual Research Achievements |
血小板の母細胞である巨核球は、造血幹細胞から核の多倍化・胞体の成熟を伴いながら分化・成熟し、分化の最終段階で胞体突起を形成する。この胞体の先端が断裂することにより血小板は産生されるが、そのメカニズムは十分には解明されていない。また、産生された血小板活性化メカニズムについても不明な点が多く存在する。これまでの研究成果から、巨核球からの血小板産生過程に apoptosis は関与しないこと、造血幹細胞から巨核球への初期分化に caspase 活性化が関与することを明らかにしてきた。しかしながら、巨核球より産生された血小板における apoptosis の関与は未だ解明されていない。 そこで本研究では、apoptosis に強い抵抗性を示す vav-bcl-2 トランスジェニック(Tg)マウスを用いて血小板活性化における apoptosisの関与を検討した。 まず、caspase 阻害剤, z-VAD-fmk を血小板に添加したが、PS exposure や MP formation に影響を与えなかった。また、野生型(WT)マウス血小板と Tg 血小板の間においても差は認められなかった。さらに血小板凝集能においても WTと Tg 血小板の間で差は認められなかった。また、western blot などにより血小板活性化時における caspase-3 活性化を測定したが、活性化していなかった。一方、37℃ で数日保存した血小板では caspase-3 活性化が認められた。そこで血小板寿命を測定したところ、WT と比較して Tg で有意に寿命が延長していた。 以上の結果から、caspase 活性化を含む apoptosis は血小板活性化には関与しないが、血小板寿命を制御する可能性が示唆された。
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