2015 Fiscal Year Research-status Report
巨核球・赤芽球の成熟に対するCLEC-2の病態生理学的作用の解析
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26860723
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田村 彰吾 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60722626)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CLEC-2 / 巨核球 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はこれまでの研究で発見した骨髄内ポドプラニン発現間質細胞「BM FRC-like cell」による巨核球・血小板造血促進機構の解析を行った。 骨髄内の巨核球は一部がBM FRC-like cellと接触する環境でコロニーを形成していることがわかり、BM FRC-like cellが巨核球・血小板造血微小環境を構成する間質細胞であることを示した。In vitroでの解析から、BM FRC-like cellがCLEC-2とポドプラニンの結合を介して巨核球の自己増殖を促進することが明らかになった。また、CLEC-2が結合したBM FRC-like cellは巨核球から血小板を産生する促進因子を分泌することが明らかになり、この因子がCCL5 (RANTES)であることを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の平成27年度の研究計画は巨核球・血小板造血におけるCLEC-2の関与を解析することである。我々はこれまでの研究により、CLEC-2 のリガンドであるポドプラニンを発現した新規血管周皮細胞BM FRC-like cellを発見し、この細胞がCLEC-2/ポドプラニン結合依存的な巨核球・血小板造血微小環境を構成していることを世界ではじめて同定した。この研究成果は学術論文としてBlood誌に掲載された。以上のことから、本年度の進捗は当初の計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は平成28年度に赤血球造血に関するCLEC-2の生理作用を解析する予定だった。しかし、平成26年度内の解析により赤血球系細胞におけるCLEC-2の発現は否定的であったため、赤血球造血に関するCLEC-2の解析は計画の練り直しが必要であると判断した。そこで平成28年度はこれまでの研究で発見した新規骨髄間質細胞「BM FRC-like cell」の細胞学的特性などの解析を進めることにする。
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Causes of Carryover |
平成27年度途中で所属施設が変更になったため、実験計画に若干の修正があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度実験計画に関わる消耗品費として使用する。
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