2014 Fiscal Year Research-status Report
ストレス応答に関与するヒストンメチル化の異常が造血幹細胞に与える影響
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26860729
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河原 真大 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80617449)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒストン脱メチル化酵素 / 血球分化 / DNA損傷ストレス / 造血幹細胞 / 白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒストン脱メチル化酵素の一つKDM4Bの発現が白血病細胞で上昇している意義を明らかにすることを目的としている。まず、KDM4Bを強発現させるためのレンチウイルスベクターを作成し、マウス造血幹細胞に導入してコロニーアッセイを行うと、顆粒球分化が障害され、Kit陽性の未熟細胞が増加することを見出した。しかし、コロニー植え継ぎ実験でコロニーの増加は認めなかったので、増殖亢進作用には乏しいと考えられる。同系マウスに移植すると、KDM4Bが強発現した造血細胞が末梢に動員されてこないことからも、KDM4Bが造血分化に関与している可能性が示唆される。次に複数の白血病細胞株でKDM4Bをノックダウンしてみたが、増殖曲線に有意な変化は認めなかった。KDM4BはDNA損傷ストレス応答に関与するという報告もあるが、抗がん剤投与に対する感受性は変化がなかった。総合すると、KDM4Bの発現上昇は、増殖や抗がん剤耐性にはさほど影響を与えず、造血分化に何らかの影響を及ぼしているものと考えられる。しかしながら、これらベクターを用いた実験の効率はさほど高くなくないので、Cre-LoxPシステムで発現誘導可能なトランスジェニックマウスを作製した。KDM4Bのノックアウトマウス作成は、KDM4Aによる機能代償が起こることが報告されているので敬遠した。現在、MX1-Creマウスと掛け合わせた仔マウスが得られつつあり、順次解析を行う体制が整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強発現実験系の結果からKDM4Bと造血幹細胞の分化との関わりが示唆された。トランスジェニックマウスモデルも順調に作出され、現在Creマウスと交配した仔マウスが得られてきている。 以上のことから、本年度の当初の研究計画のほとんどは達成されたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株を用いた実験や、強発現ベクターを用いた実験は引き続き行う。特に放射線障害とKDM4B強発現に関する実験はまだ行う価値があると考える。また、トランスジェニックマウスモデルも順調に作出され、現在Creマウスと交配した仔マウスが得られてきている。これらのマウスモデルを用いて、KDM4Bが造血幹細胞に及ぼす影響について、集中して検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)