2014 Fiscal Year Research-status Report
MLL/AF4陽性ALLのS100A6抑制による新規治療開発
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26860740
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
玉井 勇人 日本医科大学, 医学部, 講師 (40465349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MLL / AF4 / ALL / S100A6 / Amlexanox |
Outline of Annual Research Achievements |
①in vitroにおけるAmlexanoxのMLL/AF4陽性ALLの抑制実験 MLL/AF4陽性ALL細胞株SEM・RS4;11をTNFαで刺激してS100A6を活性化させる。ここにAmlexanoxの投与を行う。MLL/AF4陽性ALL細胞数の変遷を比較すると共にDeadEnd Colorimetric TUNEL system® (Promega,Madison)を用いてアポトーシスの引き起こされ方を比較検証したところAmlexanox濃度依存性にアポトーシスが進行した。 ②MLL/AF4陽性Tgマウスの増殖 MLL/AF4陽性TgマウスはMLL/AF4/WTのヘテロ遺伝子を持つマウスである。In vivo実験に向けてこのマウスを大量に増殖し、遺伝子型を特定し、MLL/AF4陽性Tgマウスのみをセレクションし実験に十分なMLL/AF4陽性Tgマウスの数を確保した。 ③MLL/AF4陽性TgマウスへのAmlexanox配合飼料の投与開始 MLL/AF4陽性Tgマウスの増殖が軌道に乗ったら生後1カ月でAmlexanox配合飼料投与群と非投与群(通常飼料投与群)に分ける。通常人体に腫瘍が形成された場合体内のリンパ球を通じて腫瘍を排除すべき異物と認識し、TNFαを中心とした腫瘍崩壊物質が体内で放出され腫瘍を排除しようとする腫瘍免疫が存在するがこのMLL/AF4陽性Tgマウスは免疫は正常でありこの腫瘍免疫は存在する。この腫瘍免疫に対してMLL/AF4Tgマウスで発生するMLL/AF4陽性ALLはTNFαの刺激に反応してS100A6を高発現することにより、アポトーシスをを逃れることができる。その結果生後1年でMLL/AF4Tgマウスは白血病化するのであるが、生後1カ月からS100A6阻害作用をもつAmlexanoxを投与することによってこの白血病化が起こるかどうかを検証を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた①in vitroにおけるAmlexanoxのMLL/AF4陽性ALLの抑制実験②MLL/AF4陽性Tgマウスの増殖③MLL/AF4陽性TgマウスへのAmlexanox配合飼料の投与開始を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り下記を行う。 ④Amlexanox投与したMLL/AF4Tgマウスの白血病化の有無の検証実験 平成26年度に生後1カ月からAmlexanox投与群(1g/g配合飼料・10g/g配合飼料・100g/g配合飼料)と非投与群に分けたMLL/AF4 Tgマウスを生後1年で解剖を行う。通常なら生後1年で肺・肝臓・脾臓にCD45R/B220+CD19+ CD43+白血病腫瘍が形成され、骨髄や末梢血にも同様の白血病が浸潤するのが認められるが、Amlexanox投与群でそれらの形成が抑制されるかを検証する。検証は末梢血に関してWright Giemsa(WG)染色による顕微鏡観察、CD45R/B220・CD19・CD43抗体を用いたフローサイトメトリー(FCM)を行い白血病分画(CD45R/B220+CD19+CD43+)を測定する。肺・肝臓・脾臓・骨髄に関しては病理組織検査を行いCD45Rで染色を行い白血病腫瘍の検索を行う。またS100A6免疫染色で細胞内の局在を明らかにする。また同臓器より蛋白質を抽出し、S100A6・P53・acetyl P53・Caspase8・Caspase3などの抗体を用いウエスタンブロッティング法(WB)を行いS100A6に関与するアポトーシスの経路が動いているかを検索する。
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Causes of Carryover |
当初予定よりもMLL/AF4Tgマウスの作成費用が安く済んだこと。 AmlexanoxによるMLL/AF4 ALLのアポトーシスに至るまでの過程(P53→acetyl P53→caspase8→caspase3)をウエスタンブロッティング法を用いた比較検証が行えていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
AmlexanoxによるMLL/AF4 ALLのアポトーシスに至るまでの過程(P53→acetyl P53→caspase8→caspase3)をウエスタンブロッティング法を用いた比較検証を早急に開始し完遂する。
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