2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of microbiota on the initiation and development of arthritis developed in IL-1ra -/- mice
Project/Area Number |
26860747
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤井 博 金沢大学, 附属病院, 助教 (20596895)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節炎 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】関節炎を自然発症するIL-1ra-/-マウスにおいて抗生剤で腸管細菌叢を修飾することにより、関節炎の発症、全身免疫への影響を検討した。また抗生剤を長期投与及び投与開始時期の違いによる関節炎に与える影響も検討した。【方法】3週齢あるいは10週令のIL-1ra欠損マウスをドリペネム0.25g/L及びバンコマイシン0.5g/Lで給水し、自由飲水とした。抗生剤を24週齢まで継続し、経時的に、盲腸内容物の細菌量の定量的PCRでの測定、継時関節炎症状・関節内病理像の評価、骨密度測定、関節内サイトカイン濃度の測定を行った。【結果】3週齢からの抗生剤投与で、4週齢以降で腸内細菌DNA量は8%に減少し、8週から15週まで関節炎スコアが改善し、関節周囲骨密度低下も抑制された。12週齢において、好中球・樹状細胞・マクロファージの関節への浸潤の減少とともに、関節内のCXCL1、MCP-1、MIP-1β、RANTES濃度も有意に低下した一方で、IL-17A濃度に変化は認めず、糞便中SFBのDNA量も変化を認めなかった。16週齢以降は抗生剤非投与群と関節炎に差を認めず、関節内細胞分画、サイトカイン濃度についても差を認めなかった。10週齢から抗生剤を投与した群では関節炎は改善せず、好中球増加と一致してCXCL1の増加が認められた。12週齢でMCP-3、MIP-1α、MIP-1βが抗生剤非投与群と比較して上昇していた。【結語】離乳直後からの広域抗生剤の投与のみで、一時的に関節炎は抑制された。腸内細菌の修飾を関節炎の治療に応用する場合、投与時期と長期経過に注意する必要があることが示唆された。
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