2014 Fiscal Year Research-status Report
microRNAによる滑膜細胞の制圧-骨分化誘導および薬剤応答の改善の検討-
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26860753
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / microRNA / 骨芽細胞 / メトトレキサート / トファシチニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、関節リウマチ(RA)患者から得られた滑膜線維芽細胞(RASF)を用い、骨芽細胞へ分化誘導し、分化において変動するmicroRNA(miR)の同定を行った。骨芽細胞への分化についてはALP染色およびRUNX2、ALPのmRNAレベルにおける発現上昇にて確認した。5例のRASFにて解析を行った結果、miR-218の発現変動を認めた。次にmiR-218をlipofectaminを用いたtransfection法にてRASFに強制発現/抑制し、機能解析を行った。RASFにmiR-218を強制発現することにより骨芽細胞への分化を認めた。一方、miR-218を抑制した群では骨芽細胞への分化は認めなかった。以上よりmiR-218はRASFを骨芽細胞へ分化させうるmiRであることが判明した。今後、その標的遺伝子の同定などさらなる解析を進めていく。 次に、RAの治療薬である、メトトレキサート(MTX)およびトファシチニブ(TOF)によるmiRの発現修飾の解析をおこなった。MTXを1uM、TOFを500nMの濃度で48時間処理した滑膜線維芽細胞を用い、miRアレイによる網羅的解析をおこなった後に、個々のmiRについて発現解析を行った。Control群にくらべ、MTX処理群ではmiR-887の発現上昇を認めた。TOFによる有意なmiRの発現変動は認めなかった。RA滑膜線維芽細胞においてMTXはmiR-887を介し、RA抑制的に働いている可能性が示唆された。MTXはRA治療において根幹をなすものだが、その滑膜線維芽細胞における効果は解明されておらず、本実験がMTXの作用機序およびRA病態の解明につながる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチ滑膜線維芽細胞を骨芽細胞へ分化させるmiRの同定が終了し、さらなる解析へと移行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画に基づき、同定されたmicroRNA(miRNA)の機能解析を行っていく。まずは標的遺伝子の同定を行い、その後マウスモデルでの検証を予定している。ただし、マウスへのmiRNAの移入については一定した方法が確立されておらず、共同研究者と連絡をとりながら有効なmiRNAの移入方法を確立する必要がある。
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Causes of Carryover |
同定されたmiRNAの機能解析が必要なため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
滑膜細胞へ同定されたmiRNAを移入し、強制発現/抑制させ変動する遺伝子を抽出する。その後、モデルマウスでの検討を行う。
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Research Products
(8 results)