2014 Fiscal Year Research-status Report
ヘムオキシゲナーゼ-1とM2マクロファージから見たループス腎炎の病態解析
Project/Area Number |
26860756
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
浜 真麻 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70574169)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | リウマチ学 / ループス腎炎 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
ループス腎炎(LN)は全身性エリテマトーデス(SLE)に併発する重要臓器病変であり,予後を左右する.マクロファージ(Mφ)を介した自然免疫応答がSLEの病態進展に重要であるが,以前の研究からSLEでは相対的なM2 Mφの機能低下が予想される.ヘムオキシゲナーゼ(HO)-1はM2 Mφに高発現し,種々の病態で抗炎症作用を示す.本研究は,①LN検体と②HO-1転写抑制因子Bach1欠損MRL/lprマウスの解析を通じて,SLE患者のM2 Mφの相対的機能低下の証明,HO-1発現誘導によるM2 Mφの分化・機能促進と,LNの重症化抑制効果・治療効果の証明を目的としており,初年度は以下を行った. ①LN腎生検標本の解析:まず,LN患者複数例の腎生検検体を用い,M2 MφのマーカーであるCD163やHO-1の免疫染色法の条件設定を行い,評価法を確立した.次に,LN患者40例の腎生検検体に対してCD163とHO-1の免疫染色を行い,浸潤細胞におけるM2 Mφの割合とHO-1発現の程度を評価した.さらに,LNのISN/RPS分類の組織型,間質性腎炎・尿細管障害の程度,治療反応性,腎予後(蛋白尿や血清クレアチニン値の変化,透析の有無)との関連を解析した. ②Bach1欠損MRL/lprマウスの解析:C57BL/6J Bach1-/-マウスのMRL/lprマウスへの戻し交配を14世代繰り返し,MRL/lpr Bach1-/+コンジェニックマウスを確立した.現在,MRL/lpr Bach1 -/-を確立すべく繁殖を継続している.また,野生型MRL/lprメス個体を用いて,1日蛋白尿定量,抗ds-DNA抗体値,補体価などのパラメータや腎組織の評価時期や評価法についての確立を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①LN腎生検標本の解析については,概ね当初の計画通りに進行している.一方,②Bach1欠損MRL/lprマウスの解析については,MRL/lpr Bach1-/+またはMRL/lpr Bach1 -/-の繁殖が計画通りに進まず,その先の評価へ進めていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
①LN腎生検標本の解析については,検討症例数・検体数を増やし,初年度と同様の解析を進める.当科のあるLN例約100件分のデータを収集し,解析を行う予定である. ②Bach1欠損MRL/lprマウスの解析については,実験に用いるMRL/lpr Bach1 -/-マウスが十分に確保できた時点で,初年度に確立した評価法を用いて野生型との比較を行う.
|