2016 Fiscal Year Research-status Report
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26860761
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
志村 絵理 順天堂大学, 医学部, 助教 (30586342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表皮gdT細胞 / 皮膚免疫応答 / 接触性皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、表皮に存在するDETC(Dendritic epidermal T cell)について、皮膚免疫応答における機能を解明することを目的とし、これまでにない解析ツールの開発を進めてきた。今年度は、DETC特異的に発現する遺伝子のスクリーニング作業を更さらに進めた。興味深いことに、得られた候補遺伝子は依然として脳での発現が報告されている遺伝子が多数を締めていた。今回は候補遺伝子の中で実施可能なものについてFACS解析を実施した。候補遺伝子のうち、コードするタンパク質について抗体が存在しないものに関しては、遺伝子レベルでの解析を実施することとした。これまでに、接触性皮膚炎誘導時やUV照射の実験において、DETCの割合が減ることが分かっていることから、接触性皮膚炎を誘導した皮膚組織およびリンパ節についてリアルタイムPCRを実施し、発現量に減少傾向が認められるか調べた。 今回までに絞り込んできたDETC特異的に発現する可能性がある遺伝子については、皮膚組織での解析がなされていない。したがって、引き続きこれら遺伝子についてその機能を解析することで、DETCを介した皮膚組織における新しいメカニズムを見いだすことが期待される。特に、炎症時に着目して解析を進めていることから、皮膚免疫応答における新しい知見が得られる可能性が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
候補遺伝子について、検出可能な抗体が存在しないものが多いことから、遺伝子レベルでの解析を余儀なくされている。また、昨年度以前において候補遺伝子の絞り込みが遅れていたことも進捗に影響していることから、やや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もDETCの機能解析を目的とした解析ツールとして、候補遺伝子をターゲットとした遺伝子改変マウスの作製を目指す。だたし、現状として進捗が遅れている為、候補遺伝子の機能を解析したところでその結果をまとめ、論文として報告することも視野に入れ、研究を進める。 現在得られている候補遺伝子について、抗体やリガンドが存在するものについてはDETCの培養系に加え、FACSを用いて活性化マーカーの発現状況等を解析する。この時の培養上清を採取し、ELISAによって産生されるサイトカインを調べる等、タンパク質レベルでの解析もさらに進める。主にこれら解析を足がかりとし、皮膚組織におけるDETCを介した候補遺伝子の役割について細胞、遺伝子、個体レベルでの解明を目指す。また一方で、候補遺伝子を発現する細胞がヒトの皮膚組織について存在するかについても検討することを予定している。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れており、予定していた候補遺伝子の機能解析が実施されずにいるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
候補遺伝子の機能解析にて使用する抗体やリコンビナントタンパク質、その他実験に用いる消耗品に使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)