2014 Fiscal Year Research-status Report
ライブイメージング技術を用いた細菌性髄膜炎ワクチン効果の解明
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26860768
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
荻野 英賢 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80589325)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感染症 / 細菌学 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は発症すると5%が死に至り乳幼児では後遺症を残しやすい『細菌性髄膜炎』の感染機序および免疫細胞による防御機構を明らかにするため、マウス感染モデルを用いてマウス内部での細菌性髄膜炎原因菌および免疫細胞の挙動を『ライブイメージング技術』を駆使して解析することを目的としている。具体的には、マウス生体内における細菌性髄膜炎原因菌のコロニー形成過程や局在変化を経時的に解析し、病巣形成過程を明らかにする。さらに細菌性髄膜炎ワクチン投与後の免疫細胞の挙動変化および細菌性髄膜炎原因菌の生存率や局在変化を解析し、ワクチンがもたらす効果をリアルタイムに評価する。 平成26年度では細菌性髄膜炎原因菌の可視化モニタリング系の構築を中心に実験を進めた。可視化のための導入遺伝子のソースとしてサンゴ由来のDsRed や、その変異体mCherry をコードする遺伝子を用いた。生体内での観察には、蛍光タンパク質の恒常的かつ強力な発現が必要であり構成的に発現するプロモーターが必要となるため、細菌性髄膜炎原因菌ゲノムからランダムにスクリーニングし高発現するプロモーターを探索した。現在、得られた候補プロモーターについて細菌性髄膜炎原因菌内での遺伝子発現を詳細に検討している。 GFP 遺伝子を導入した免疫細胞のマウスへの移入条件および観察至適条件についても検討を行い、マウス肺内での観察に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細菌性髄膜炎原因菌の発現プロモーターに関して幾つか候補遺伝子領域が得られており、可視化に向けた最終段階に入っているため。 GFP 遺伝子を導入した免疫細胞のマウスへの移入条件および観察至適条件に関しては目標を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は細菌性髄膜炎原因菌の発現プロモーターの同定および可視化を達成し、細菌性髄膜炎原因菌のマウスへの感染条件の検討および感染後のコロニー形成過程を解析する。 マウス肺でのライブイメージング観察を行なうため、経鼻投与による感染実験を行なう。本研究で作製した蛍光インフルエンザ菌株の感染能に問題がないか、文献等を参考に必要投与細菌数を指標にして判断する。マウス肺内部の蛍光観察条件は、先述のライブイメージング装置を用いて感染巣形成時期を判断しながら条件検討を行なう。 感染した病原菌は菌特異的な抗体が産生されるまでの間、肺上皮細胞に付着しコロニーを形成すると考えられている。本研究では、感染巣形成過程や原因菌の局在変化などをライブイメージング装置を用いて同一個体で経時的に観察し、マウスへの投与細菌数の違いによるコロニー形成速度の違いや経時的な局在変化をリアルタイムで解析することで原因菌の感染巣形成過程を明らかにする。
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Causes of Carryover |
予定購入額より安価に物品調達が可能であったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額については平成27年度に計上した培養試薬の購入費と併せて使用する。
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Research Products
(3 results)