2015 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肺アスペルギルス症発症に関与する新規病原因子の検索
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26860770
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高園 貴弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (30716569)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目であるH26年度の予定は、各病型、環境分離株の特性、バイオフィルム産生能の比較であった。まず、Aspergillus fumigatus臨床分離株において症例の画像所見、炎症所見、病状の進展速度について患者カルテベースに調査し、病理所見のある所見はそれに基づき病型分類を、各分離株を抽出した。使用可能な分離株では、定着株で4株、環境分離株2株、単純肺アスペルギローマおよび気管支アスペルギルス症例7株、慢性空洞性肺アスペルギルス症例24株、慢性壊死性肺アスペルギルス症例6株、侵襲性肺アスペルギルス症例株2株であった。それぞれの臨床的経過特徴についても情報を収集した。各分離株における培地上の成長速度測定(Growth diameter)、Elastase mediumを用いたエラスターゼ測定(Elastase Activity Index、EAI=Elastase diameter/Growth diameter)、XTT assayによるBioflm産生能を評価した。各病型におけるEAIの程度は株によりバラつきが大きく病型による相関関係は認めなかった。またXTT assayによるバイオフィルム産生能に関しては現在検討中である。その一方で特徴的な菌株を成長速度、EAIの観点から抽出し、Invasive Pulmonary Aspergillosisのマウスモデルにおいて評価を行った。EAIの高い株ではなく、成長速度の高い菌株が現時点で評価した株においては病原性が高い事が、マウス生存率では示唆された。現時点では一部の株においてしか動物モデルの評価が出来ておらず、H27年度は、病原性評価を行う菌株数を増やし、新規病原因子検索に使用する高病原性株と低病原性株を選定していく予定で薦めていたが、研究代表者が休職し海外留学するため、同研究の国内での継続が困難となり、廃止に至った。
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