2014 Fiscal Year Research-status Report
新しい心磁図指標を用いた小児の早期再分極症例の突然死リスク評価に関する研究
Project/Area Number |
26860782
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 愛章 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90635608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心磁図 / 早期再分極症候群 / J波 / 特発性心室細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】2014年度学校心臓検診受診者7,540名(小学1年 男1,594名/女1,506名、小学4年 男1,117名/女927名、中学1年 男1,242名/1,154名)を対象とし、1次検診で施行した省略4誘導心電図(I, aVF, V1, V6)を評価した。心電図上J点からST部分について、0.1mV以上の上昇を早期再分極陽性と定義し、所見陽性者の年齢、性別、各誘導で検出される頻度を検討した。省略4誘導では連続2誘導の評価ができないため、一つの誘導のみで評価した。【結果】学年・性別ごとの早期再分極所見の頻度は、小学1年生 5.26%(男5.83%/女 4.65%)、小学4年生 6.36%(男 6.80%/女 5.83%)、中学1年生 10.31%(男8.30%/女 5.91%)。小学1年生、小学4年生では男女では有意差はなかったが、中学1年生では有意に男児で多かった。早期再分極所見を有する例での部位ごとの頻度は、小学1年生で側壁のみ28.2%、下壁のみ45.4%、側壁・下壁26.4%、小学4年生で側壁のみ25.4%、下壁のみ42.3%、側壁・下壁32.3%、中学1年生で側壁のみ24.6%、下壁のみ39.7%、側壁・下壁38.5%であった。【結論】学年ごとに早期再分極所見の頻度は増加し、側壁・下壁での頻度が増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
早期再分極所見のある児での心磁図を検討するために、比較対象として健常児の心磁図の所見が必要である。成人において正常心磁図は確立しているが、対象となる年代での正常心磁図所見は確立していない。健常ボランティアによる心磁図記録を行う予定であったが、募集に対し十分な数が確保できなかった。また、早期再分極所見のある児の数例で心磁図記録ができたが、心室細動を有するハイリスク症例がいなかったため、リスク評価ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、①健常児による心磁図の基準値を確立し、②ハイリスク症例と比較してリスク評価を行う予定である。①健常ボランティアを効率よく集めるために新聞広告のみではなく、地域の学校に研究協力を依頼する。②ハイリスク症例の心磁図データを集積するために、地域の開業医などに症例の紹介を依頼した。
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