2014 Fiscal Year Research-status Report
Danon病iPS細胞由来心筋・骨格筋細胞の解析と治療薬効果の評価
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26860786
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 昌平 金沢大学, 大学病院, 助教 (30623657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Danon病 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Danon病患者、母親の末梢静脈血からT細胞を分離、活性化させ、山中4因子をsendai virusを用いて導入し、iPS細胞の作製に成功した。しかしながら、LAMP2蛋白の免疫染色においては母親、Danon病患者共にすべてのiPS細胞が染色された。また、光学顕微鏡レベルでは明らかな空胞、肥大の出現は認められなかった。iPS細胞がLAMP2遺伝子変異を持つリンパ球からは作成できなかった可能性も考慮し、サンガー法を用いて遺伝子検索を行ったところ、Danon病患者由来のすべてのラインのiPS細胞において、LAMP2遺伝子のヘテロの異常を同定できた。 iPS細胞においてはX染色体のsilencingが起こっていない可能性も考え、心筋細胞、骨格筋細胞におけるLAMP2蛋白の欠損、透過電子顕微鏡での表現系の異常を確認する方針としたが、従来の当研究室のサイトカイン法では分化能に乏しく、現在異なった方法での心筋分化を試している段階である。 今後はまず、既知の様々な手法を使用した心筋分化の方法を試すことでDanon病iPS細胞由来心筋を安定して確保することが最優先事項である。その後、再度LAMP2の免疫染色、更にジストロフィンの免疫染色を行い、心筋におけるLAMP2の有無を確認する。iPS細胞同様LAMP2の欠損が認められなかった場合にも、ウエスタンブロットを用いてControleとの比較で異常蛋白が発現していないかを確認し、更に透過電子顕微鏡においても自己貪食空砲の有無を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫染色でLAMP2蛋白がDanon病由来iPS細胞において染色されたため、その原因検索のためにシークエンスでの遺伝子発現の確認を要した。 また、心筋細胞への分化効率が通常のiPS細胞と比較して悪く、安定して実験、特に電子顕微鏡での観察に必要な心筋細胞を得ることができていないことが遅れの原因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、既知の様々な手法を使用した心筋分化の方法を試すことでDanon病iPS細胞由来心筋を安定して確保することが最優先事項である。心筋細胞においてLAMP2蛋白の発現の欠損が確認できるかどうかが課題である。もし免疫染色で欠損の確認ができなかった場合にも透過電子顕微鏡で自己貪食空砲などDanon病に特徴的な所見の有無を確認する。 その所見を元に治療薬候補の投与を行う。
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