2015 Fiscal Year Annual Research Report
Danon病iPS細胞由来心筋・骨格筋細胞の解析と治療薬効果の評価
Project/Area Number |
26860786
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 昌平 金沢大学, 大学病院, 助教 (30623657)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / Danon病 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性Danon病患者からiPS細胞の作製に施行した。しかしながら、LAMP2蛋白の免疫染色においては母親、Danon病患者全てのiPS細胞が染色され、光学顕微鏡レベルでは明らかな空胞、肥大の出現を認めなかったため、当初の予定であったLAMP2陽性、陰性のiPS細胞に対して解析を行うことはできないことが判明した。サンガー法を用いて遺伝子検索を行ったところ、Danon病患者由来全てのラインのiPS細胞においてLAMP2遺伝子のヘテロの異常を同定できた。心筋分化においては、Nat Protoc. 2013 Jan;8(1):162-75.において発表されたGiWiプロトコルを適用したところ、十分な心筋への分化が認められた。 本年度末には培養iPS細胞から採取したcDNAに対しLAMP2のPCRを行い、その発現を確認したところ、Danon病患者由来iPS細胞のLineによってExon6が欠損しているLine(miPSC)と発現しているLine(ciPSC)を確認することが出来た。miPSCと、ciPSCにおいてそれぞれ未分化なiPSC、分化させたiPSC由来心筋細胞に関して比較検討を行ったが、光学顕微鏡、免疫染色においては明らかな差異を認めなかったが、誘導心筋細胞の透過電子顕微鏡での形態評価を行ったところ、miPSCにおいてDanon病に特徴的と考えられる自己貪食空胞の存在を確認することが出来た。残念ながら予定としていた治療候補薬の投与とその評価は行うことができず、期限となった。
|