2015 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィン遺伝子のエクソンスキッピングを誘導する低分子化合物の探索
Project/Area Number |
26860803
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
西田 篤史 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 研究員 (80640987)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Duchenne型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング / スプライシング操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子の異常によって発症する致死的な遺伝性筋疾患であり、治療法は確立されていない。報告者らは、低分子キナーゼ阻害剤であるTG003による、エクソンスキッピング誘導治療法の可能性を世界に先駆けて発表した。この成果はDMD患者にとって朗報となるものであった。本研究は、より優れた化合物を探索するものである。 ジストロフィン遺伝子ハイブリッドミニ遺伝子プラスミドとHeLa細胞を使用した解析の結果、タンパク合成阻害薬であるシクロヘキシミド(CHX)が、TG003と似たエクソンスキッピング作用を持ち、TG003とCHXを同時に投与により、エクソンスキッピング作用が相乗的に増加することを見出した。このエクソンスキッピング増強効果は、期待以上のものであった。 次に、新たな候補化合物として、スプライシングへの影響が報告されている化合物について、先述の方法により、ジストロフィン遺伝子のエクソンスキッピングに対する効果を検証した。その結果、キナーゼ阻害薬であるスタウロスポリン(STS)がTG003よりも強力にエクソンスキッピングを促進することを見出した。さらに、不死化患者筋培養細胞を用い、タンパクレベルでの薬効評価をウエスタンブロットにより行った結果、STSはジストロフィンタンパクの発現を増強することが明らかになった。 CHXおよびSTSは、その毒性等を考慮すると臨床応用には適さない。しかしながら、臨床応用可能な化合物を探索するためのリード化合物にはなり得る。
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Research Products
(1 results)