2014 Fiscal Year Research-status Report
高親和性IgE抗体産生細胞の発生機序の解明とこれを用いた予防への応用研究
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26860806
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
亀村 典生 徳島大学, 生物資源産業学部(仮称)設置準備室, 助教 (10632656)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗原特異的IgE / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
高親和性IgE抗体産生細胞の発生機序の解明に関して、1、 クラススイッチをモニタリングができる測定法の確立、2、 生後の低親和性特異的抗体の検索の2つの研究を行った。特異的IgEの産生機序の解明を行うため、クラススイッチをモニタリング出来る測定法の確立を目指し、研究を行った。血液採取の期間は、免疫療法前、免疫療法後、維持期三ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後(計27名)採取し、Densely carboxylated protein (DCP) チップ法で測定した。抗原特異的IgG1、IgG3の抗体価は免疫療法後において増加し、治療の維持期の経過とともに抗体価が減少した。IgG2の抗体価は免疫療法後において増加し、維持期の経過とともに増加し、維持期12ヶ月にまで維持された。IgGサブクラスの中で最後に産生されるIgG4の抗体価は免疫療法後増加し、明らかに維持期の経過とともに増加した。IgAに関しては免疫療法後から増加した。IgEに関しては免疫療法後、減少した。IgM→IgG→IgEへのクラススイッチが高親和性抗体産生の機序とされているが、IgG→IgG4のクラススイッチの経路が優位に高くなっており、その結果IgE産生が抑制されていることが示唆された。これらの結果からDCPチップ法により、抗体クラススイッチのモニタリングが可能となった。生後、低親和性特異的IgEが産生されるのか、生後14ヶ月(健常児)の検体を用い、DCPチップ法により検証を行った。結果、低親和性特異的IgEが数名において検出された。低親和性特異的IgEがアレルギー発症に関与するのか今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高親和性IgE抗体産生細胞の発生機序の解明に関して、臍帯血から低親和性特異的IgE産生細胞を精製、培養し、その後、高親和性IgE抗体産生細胞が産生されるか実験計画を立てた。しかし、臍帯血から低親和性特異的IgE産生細胞を精製することは、臍帯血の入手が困難であること、臍帯血が採取できたとしても特異的IgEを産生している検体が少ないこと、さらに低親和性特異的IgE産生細胞を精製するための検討が不十分であり(さらに詳細に検討する必要がある)、これらの理由により現段階では困難である。今後は、人の臍帯血にこだわらず、低親和性特異的IgE産生細胞を精製するための検体が一定に維持できる方法で、研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
低親和性特異的IgE産生細胞を精製するための検体が一定に維持できる方法を確立するため、動物実験を行う。この度の実験では、ラットを用いて研究を遂行する予定である。ラットの胎児が低親和性特異的IgEを産生する環境を検討し、ラットの新生児から親和性特異的IgE産生細胞を精製する。母体が食物抗原に対する特異的IgEを産生する場合、胎児が母体と同じ特異的IgEを産生する割合が多いため、アレルギーラットの母体を作成し、交配させ、アレルギーモデルラットの家族を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
26-27年度は、高親和性IgE抗体産生細胞の発生機序の解明に関して、臍帯血から低親和性特異的IgE産生細胞を精製、培養し、その後、高親和性IgE抗体産生細胞が産生されるか実験を行う予定であった。しかし、臍帯血から親和性特異的IgE産生細胞を精製することは、臍帯血の入手が困難であること、臍帯血が採取できたとしても特異的IgEを産生している検体が少ないこと、さらに親和性特異的IgE産生細胞を精製するための検討が不十分であり(さらに詳細に検討する必要がある)、これらの理由により、研究計画と少しのズレがあり、次年度に使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
低親和性特異的IgE産生細胞を精製するための検体が一定に維持できる方法を確立するため、次年度使用額が生じた費用により、アレルギーモデルラットの作製を行いたいと考えている。
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[Journal Article] Application of Moisturizer to Neonates Prevents Development of Atopic Dermatitis and Allergic Sensitization2014
Author(s)
Kenta Horimukai, Kumiko Morita, Masami Narita, Mai Kondo, Hiroshi Kitazawa, Makoto Nozaki, Yukiko Shigematsu, Kazue Yoshida, Hironori Niizeki, Ken-ichiro Motomura, Haruhiko Sago, Tetsuya Takimoto, Eisuke Inoue, Norio Kamemura, Hiroshi Kido, Junzo Hisatsune, Motoyuki Sugai, Hiroyuki Murota, Ichiro Katayama
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Journal Title
J Allergy Clin Immunol.
Volume: 134
Pages: 824-830
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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