2014 Fiscal Year Research-status Report
血漿イヌリンクリアランスを用いた低出生体重児の糸球体濾過率の基準値策定
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26860825
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西崎 直人 順天堂大学, 医学部, 助教 (30561435)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 腎障害 / DOHaD / 尿中アンギオテンシノーゲン / 酸化ストレス / FGRラット |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 臨床的検討(平成26 年度~28 年度) 未熟児の「血漿イヌリンクリアランス(Cin)」を用いて腎糸球体濾過量(GFR)を測定し出生体重別の「正常GFR 基準値」を策定する。→出生体重別の成長後の児のフォローアップを外来診療で行っている。保護者へCinによる腎機能評価の精密検査を紹介している。現在、該当患児のうち検査同意を得られた者はなく引き続き対象患児のリクルートを行なう。 2. 実験的検討(平成26 年度~28 年度) 成長後FGR ラットが加齢後のどのタイミングで腎障害を来すのかを腎障害マーカーの尿中AGTを用いて尿生化学的に証明すると共に組織学的に証明する。→両側子宮動脈結紮母獣からFGRラットを作成し、生後20週の時点で蛋白尿や血清Cre、BUNなどの腎機能マーカーの悪化よりも先行して尿中AGTが上昇することを確認した。また組織学的にも糸球体の効果や蛋白レベルでのAGTの発現を確認している。引き続き実験を進めると共に新しいアイディアとしては酸素投与による腎障害発症と尿中AGTとの関連なども追跡することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験における課題の証明はおおむね順調であるが、臨床研究は外来での対象患児のリクルートも含めて困難な状況にある。まずは新生児病棟へ入院した患児の退院前検査の一環として修正満期でのデータを採取する必要があるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎的検討の動物実験はおおむね順調であるが、FGRラットモデルに対する腎障害や尿中AGT測定のみならず、生下時から高濃度酸素投与を行なった成熟ラットにおける腎障害の検討や尿中AGT測定も加えて行なうこととする。 臨床的検討は対象患児がつのれない場合、まずはパイロット的に入院患児を対象に変更する必要があるかもしれない。
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Causes of Carryover |
一部、実験資材の安価な納入が可能であったこと、解析試料の検体数が見込みよりも少なくなったことなどから31,582円の繰り越し金が生じたと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に関わる消耗品、学会参加費用等の不足分に充填を考えている。
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