2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26860830
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
森山 陽介 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (00452532)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂肪酸代謝異常症 / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / ペルオキシソーム / 連続スライスSEM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脂肪酸代謝異常症がもたらすミトコンドリアの品質低下の機序を明らかにし治療法の開発に寄与することを目的としていた。ミトコンドリアでの脂肪酸代謝系は飢餓時の主要なエネルギー生産システムである。これまでの申請者らの研究などにより、ミトコンドリア呼吸鎖の遺伝子異常をもつ線維芽細胞では増殖期にミトコンドリアDNAが大幅に減少することを蛍光顕微鏡観察により見出している。これは、代謝異常が引き起こす細胞内/ミトコンドリア内環境の変化がDNA量の維持の妨げとなり、間接的に電子伝達系に影響を与えると考えられた。本研究では、糖源の枯渇による飢餓時において、電子伝達系のいわば上流に位置する脂質代謝系の異常症においても同様の現象が存在することを期待し、生化学的手法、光学・電子顕微鏡を駆使して詳細に解析し、脂肪酸代謝異常症の症状の緩和につながる薬剤の探索を進展させたいと考え研究を開始した。 しかし、実際に脂肪酸代謝異常症の細胞を入手し、代謝異常の表現型がみられる栄養制限下でのミトコンドリアの断片化やDNA量の変化について解析したところ、呼吸鎖異常症の時とは異なり、明瞭な形態異常が再現よく観察されはしなかった。そこで連続スライスSEMを用いた超微細三次元構造観察に主眼を移し、まずは脂質代謝における重要なオルガネラであるペルオキシソームの形態と分布、そしてその増殖様式についての知見を得ることを目的とし、肝臓細胞などでペルオキシソームの超微細構造を観察した。肝臓細胞においては直径30nm~1.3μmのペルオキシソームが存在し、1μm程度の直径のペルオキシソームからマイクロペルオキシソームが出芽して増えることが観察され、論文化を行っている。併せて、脂質代謝異常症の線維芽細胞を用いて連続スライスSEMによりミトコンドリア内膜(クリステ)の観察を行い、三次元化を行っている。
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[Journal Article] A Comprehensive Genomic Analysis Reveals the Genetic Landscape of Mitochondrial Respiratory Chain Complex Deficiencies.2016
Author(s)
Kohda M, Tokuzawa Y, Kishita Y, Nyuzuki H, Moriyama Y, Mizuno Y, Hirata T, Yatsuka Y, Yamashita-Sugahara Y, Nakachi Y, Kato H, Okuda A, Tamaru S, Borna NN, Banshoya K, Aigaki T, Sato-Miyata Y, Ohnuma K, Suzuki T, Nagao A, Maehata H, Matsuda F, Higasa K, Nagasaki M, Yasuda J, Yamamoto M, Fushimi T, Shimura M, et al.
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Journal Title
PLoS Genet.
Volume: 12(1)
Pages: e1005679
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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