2015 Fiscal Year Annual Research Report
MELAS患者由来のiPS細胞から分化誘導した神経細胞でのmtDNA修復の試み
Project/Area Number |
26860831
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松本 祐嗣 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (50726651)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミトコンドリアDNA / MELAS / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年に「ゲノム編集」のツールの一つであるTranscription Activator-like Effector Nuclease (TALEN)を利用して、変異のあるミトコンドリアDNA( mtDNA)特異的にDNA二本鎖切断(DSB)を導入することで、ミトコンドリア病の原因となる変異mtDNAの割合を減ずることができるという報告がなされた。そこで本研究では、TALENを用いて、mtDNAの点変異で主に発症するミトコンドリア病の一つであるMELAS(=ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群)の根本的治療法を開発することを目的とした。本年度は、MELASの原因となるmtDNA変異、あるいは野生型mtDNAを選択的に認識し、切断するTALENが、実際に細胞内でミトコンドリアDNAの切断を引き起こすかについての検証を目指した。 SSAアッセイにより選別した変異mtDNA、あるいは野生型mtDNAを優先的に切断するTALEN配列を用い、ミトコンドリア移行シグナルおよびエピトープタグをN末端に連結したプラスミドを作製した。改変したTALEN( mtTALEN )がミトコンドリアに局在しているかについて免疫細胞染色によって確認した。 実際にmtTALENがmtDNAを切断する能力があるかについて、野生型mtDNAを切断するTALENを用いて確認した。HEK293T細胞にmtTALENプラスミド導入し、共発現させたGFPを基準にmtTALEN導入/非導入細胞をそれぞれセルソーターにより分取した。各細胞のmtDNAコピー数を定量したところ、GFP陽性細胞のmtDNAコピー数がGFP陰性細胞より減少したことから、作製したmtTALENがmtDNAの切断に寄与していることが示された。
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