2014 Fiscal Year Research-status Report
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26860834
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
西村 紗和 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (20707187)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児科学 / 小児腫瘍学 / 歯の形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がんに対する造血幹細胞移植を付帯する超大量化学療法は、通常の化学療法と比較して生存率を大幅に改善したが、同時に永久歯形成障害の問題を引き起こすこととなった。歯の形成障害は審美の問題だけではなく、咀嚼などの口腔機能にも多大な影響を及ぼし、ひいては口腔に関連する QOL の低下をもたらすと考えられる。そこで本研究では、小児がん治療が将来的な歯・歯列の形成や口腔機能に与える影響を予測する方法を確立することを目的とする。小児がん治療経験者のうち現在永久歯列の患者を対象とした。なお、研究計画に対して本人または保護者から十分なインフォームドコンセントが得られたものを対象とした。 1、歯列・咬合状態の評価および歯の形成障害指数の算出 2、口腔機能の検査 3、口腔関連 QOL のアンケート調査 この 3 項目を調査し統計学的手法を用いて解析を行うため、データの蓄積を継続している。 口腔機能の維持のためには、化学療法開始前から医科と歯科がチームとなって、口腔管理を行っていくことが必要と考えられる。2012 年度から矯正治療の保険の適用が拡大し 6 歯以上の先天欠損の場合も保険適用に認められ、矯正治療を受ける社会的支援が強化された。今後、社会復帰をする小児がん経験者は 20 歳代で 700 人に 1 人の割合となると予測されている。本研究で確立した予測システムに歯科的対応を付加したデンタルガイドラインの作成は、小児がん治療経験者がその後の長い人生で健常な口腔関連 QOL を獲得できる一助となるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
福岡歯科大学および久留米大学に新規研究計画を申請し承認された。対象は、小児がん治療経験者のうち研究計画に対して本人または保護者から十分なインフォームドコンセントが得られたもの、および現在永久歯列の患者を対象とした。 採得した資料をもとに、歯列・咬合状態の評価および歯の形成障害指数の算出、口腔機能の検査、口腔関連 QOL のアンケート調査を継続している。資料の蓄積を継続し、学会発表および論文作成を行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の調査を引き続き行い、小児がん治療が口腔健康に与える影響を解明するためのデータを蓄積する。採得した資料をもとに統計学的に解析を行い、学会発表および論文作成を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
必要な物品を購入したが、若干の差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費に用いる予定である。
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