2014 Fiscal Year Research-status Report
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26860853
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
手塚 優 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (70453321)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、ラット初代培養神経細胞に対するSCRN1の神経分化への関与について検討を行った。アデノウイルスベクター(AD-GFP,AD-SCRN1)を用いてラット初代培養神経細胞へ遺伝子の導入を行った。対象群(AD-GFP)のGFP由来の緑色蛍光から、神経細胞に遺伝子が十分導入できている実験条件を確立した。ラット初代培養神経細胞へADV-SCRN1によるSCRN1の遺伝子導入を行った結果、WB法でSCRN1タンパク質の過剰発現が認められた。このSCRN1を過剰発現させた、神経細胞では神経突起の伸張が抑制された。SCRN1に特異的なsi-RNA (si-SCRN1) をラット初代培養神経細胞に対して導入した結果、神経細胞の神経突起の伸張が認められた。これらの結果から、SCRN1がラット初代培養神経細胞においても神経分化に関与することが明らかとなった。また、申請者はSCRN1の標的についてマウス神経芽細胞腫由来のN1E115細胞を用いて検討を行った。si-SCRN1およびAD-SCRN1を用いてSCRN1遺伝子発現の調節を行い、SCRN1の発現とパラレルに変化する神経分化に関係する細胞内シグナルについてRT-PCR法やWB法を用い検討を進めた。その結果、MAPK family、Wnt / beta-catenin 等の細胞内シグナルの発現は大きな変化は認められなかった。次年度以降さらなる検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット初代培養神経細胞に対して、アデノウイルスベクターを用いて遺伝子の導入を行うことができたことやSCRN1発現変化による細胞の表現系変化が認められたことなど実験計画通り研究が進んでいることから概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
N1E115細胞とラット神経細胞を並行してSCRN1が神経細胞の分化に関与するメカニズムの解明を行う。SCRN1による神経細胞メカニズムの解明では、同定されてきたシグナル分子に関連するものに対してリアルタイムPCR法による、細胞でのメッセンジャーRNA発現の変化とウエスタンブロット法を用いたタンパク質の活性化を二本柱として、ラット神経細胞およびN1E115細胞においてSCRN1の遺伝子発現を変化させたときにどのような変化が起こるか検証を行う。
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Causes of Carryover |
概ね順調に研究が進行していたことおよび次年度の研究計画から抗体等の高額な消耗品の購入が予想されたことから次年度助成金と合わせた使用が研究計画を遂行する上で望ましいと考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品としてウエスタンブロット法で用いる抗体の購入を行う。
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