2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cell Sheet Transplantation in Utero: Using a Fetal Rats to Approach New Fetal Therapy
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26860855
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Research Institution | Research Institute of Shimizu Construction Co. |
Principal Investigator |
柿本 隆志 清水建設株式会社技術研究所, その他部局等, 研究員 (70566687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 / 胎児期治療 / 細胞シート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胎児疾患に対する治療法として、細胞シート工学を用いた新たな治療の可能性について検討した。胎児期治療は、欧米・欧州を中心として、死産の危険性がある先天性疾患や、出生直後に重篤化する疾患に対して治療が行われている。一方の細胞シート工学を応用した再生治療は角膜・心臓・食道をはじめとして、様々な臓器において報告されている。本研究では、胎児期治療へ細胞シート工学が応用可能であるか検討した。 初年度は、移植用の細胞シートを作成した。GFP発現ラットから採取した口腔粘膜組織から口腔粘膜上皮細胞を単離した。単離した細胞を、温度応答性培養皿上で約11日間培養し、GFPを発現する口腔粘膜上皮細胞シートを作成した。作成した口腔粘膜上皮細胞シートは免疫染色により、GFP発現を確認した。この細胞シートを移植用細胞として用いた。 初年度後期から最終年度は、作成した口腔粘膜上皮細胞シートをラット胎仔へ移植する実験を行った。妊娠17日目のラット胎仔の上皮を一部剥離し、止血後に口腔粘膜上皮細胞シートを移植した。その後通常飼育を行い、72時間後にサンプリングを行った。免疫染色で確認したところ、細胞シートを移植したラット胎仔において、GFP陽性細胞が確認され、細胞シートの生着が確認された。 本研究の結果から、胎仔への細胞シート移植は可能であった。これにより、細胞シート工学を用いた、新たな胎児期治療の可能性が示唆された。 過去2年間の胎児治療研究結果に追加実験を行い、論文にまとめ投稿を予定し予算の延長を申請した。しかし、所属変更による実験環境の変化により、研究継続が困難となったため予算返納を行った。
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