2014 Fiscal Year Research-status Report
水疱性類天疱瘡における疾患特異的水疱形成機序の解明
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26860861
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩田 浩明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20397334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己免疫性疾患 / 水疱性類天疱瘡 / 自己抗体 / 17型コラーゲン / Trim21 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
1)COL17が減少する主要経路を明らかにする。 BP-IgG刺激により培養表皮細胞のCOL17が細胞内に取り込まれ、その後分解・減少する。このCOL17の減少はユビキチンのインヒビターを用いた実験により、COL17の減少が抑制されることからを介したプロテアソーム分解経路であることが示唆された。 2)COL17が分解経路でユビキチン系のE3リガーゼのひとつTrim21の関与を明らかにする。 Trim21は細胞内のFcレセプターとも言われ、抗体のFc部分と非常に強い結合能を有している。細胞内に抗体と取り込まれたアデノウイルスの除去機構に働く重要な分子である。COL17の細胞内での減少に本分子が関与しているか検証するため、培養表皮細胞にsiRNAを用いてTrim21をノックダウンして同様にBP-IgG刺激を加えた。ノックダウンは3種類のsiRNAを用いて行い、2種類で約70%のTrim21のmRNAの減少を認めたが、1種類は20%の減少効果しかなかった。効率の良かった2種類を混合して行ったが、増幅効果は認めなかった。そこで約70%のmRNA減少が十分にタンパク発現低下につながっているかウエスタンブロットにて確認を行った。2種類の検出抗体を用いて、Trim21の定量を行ったがコントロールsiRNA処理と比べ蛋白レベルでの有意な減少は認めなかった。siRNAによるTrim21のタンパクレベルの低下はわずかであったが、BP-IgG刺激によるCOL17の減少をウエスタンブロットにて検証した。結果は非常に大きな標準偏差となり、現在までのところ有意な結果は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
siRNAを用いたTrim21のノックダウン効率が一定せず、mRNAレベルでは70%程度減少しているもののタンパクレベルで有意な減少が得られにくい。Trim21のタンパクをウエスタンブロットで検出するための抗体の感度が悪く条件検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いた実験に進むためには、細胞を用いた検証実験が必要であり引き続きsiRNAを用いたTrim21のノックダウン効率の改善に取り組み実験を継続する。細胞レベルでの一定の結果が出た後にTrim21ノックアウトマウスを用いた実験に着手する。 また、本研究を遂行中にBP-IgGの中にCOL17の減少をきたさない自己抗体が存在することが偶発的に発見されたため、こちらも並行して機序解明に向けて実験を進める予定である。
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