2014 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎と好酸球性食道炎に共通する発症機構の解明
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26860864
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
皆川 智子 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (20436033)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 好酸球性食道炎 / アトピー性皮膚炎 / フィラグリン遺伝子 / IgE / TARC / 特異的IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性食道炎は,食道に好酸球が浸潤して生じ,その発症機構から「食道の喘息」とよばれ,実際に,喘息やアトピー性皮膚炎の合併が知られている.そこで本研究では,アトピー性皮膚炎と好酸球食道炎が合併する症例の把握,また両疾患に共通の発症機構を解明する.さらにその新しい発症機構を標的とする新規治療法の開発も行う. 1)好酸球性食道炎患者におけるフィラグリン遺伝子変異の検索 当院消化器内科,およびその関連病院において好酸球性食道炎と診断された患者のIgE,TARC,特異的IgE(MAST33)の測定,ならびにDNA を採取してフィラグリン遺伝子変異の有無を検討する予定だが,現在,当院通院中の好酸球性食道炎の患者様がおらず,好酸球性胃腸炎とアトピー性皮膚炎の患者様においての患者14名においてIgE,TARC,特異的IgE(MAST33)の測定,ならびにDNA を採取してフィラグリン遺伝子変異の有無を検討した. 2)アトピー性皮膚炎患者における食道病変の有無 当科や関連病院では,患者の治療に,抵抗性のアトピー性皮膚炎の入院加療を行っている.それらの患者で消化器症状を訴える患者に関し,積極的に内視鏡を行い食道を中心的に観察することを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)好酸球性食道炎患者におけるフィラグリン遺伝子変異の検索 当院消化器内科との共同研究にて,当院消化器内科および呼吸器内科,その関連病院において好酸球性食道炎と診断された患者を検索した.問診にて,アトピー性皮膚炎,気管支喘息,鼻アレルギー,アレルギー性結膜炎の合併を確認し,好酸球胃腸炎とアトピー性皮膚炎患者における血清IgE,TARC,特異的IgE(MAST33)の測定を行った.さらに同意を得られた好酸球胃腸炎とアトピー性皮膚炎患者において,DNA を採取してフィラグリン遺伝子変異の有無を検索した. 2)アトピー性皮膚炎患者における食道病変の有無 アトピー性皮膚炎患者の診察時に消化器症状を確認し,消化器症状があり,内視鏡検査の希望があれば検査を行うことを説明した.
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Strategy for Future Research Activity |
1)好酸球性食道炎患者におけるフィラグリン遺伝子変異の検索:引き続き当院消化器内科, およびその関連病院において好酸球性食道炎と診断された患者のIgE, TARC, 特異的IgE(MAST33)の測定ならびにDNA を採取してフィラグリン遺伝子変異の有無を検討する. フィラグリン遺伝子変異に関しては,名古屋大学の倫理委員会において承認された名大医倫理書式2-1-B:ヒト遺伝子解析研究同意書 ”尋常性魚鱗癬の病因であり,アトピー性皮膚炎の発症因子であるFLG遺伝子変異の検索・スクリーニング”に基づき説明,同意を得て,名古屋大学医学部皮膚科秋山真志教授,河野通浩講師のご協力のもと,引き続き好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎,アトピー性皮膚炎の患者において,フィラグリン遺伝子変異の検索を行う. 2)アトピー性皮膚炎患者における食道病変の有無:消化器症状を訴える患者に関し, 積極的に内視鏡を行い食道を中心的に観察する. 3)アトピー性皮膚炎モデル動物での食道病変の誘発実験:NC/Nga 無毛マウスにおいて,種々の物質で感作しアトピー性皮膚炎のモデルを作成.そのモデルマウス食道の炎症の有無、好酸球の浸潤などを検討する. 4)アトピー性皮膚炎病態形成におけるthymic stromal lymphopoietin (TSLP)の関与:好酸球食道炎においてモデルマウスが作成され、thymic stromallymphopoietin の中和抗体, 好塩基球除去で症状が軽減することが報告された(Noti, Nat Med, 2013).そこで, アトピー性皮膚炎患者の血清中のTSLP や病変部でのTSLP の発現と消化器症状の関連, TSLP 遺伝子の多形,アトピー性皮膚炎モデルマウスへのTSLP 中和抗体の投与などを検討する.
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[Journal Article] Case of oculocutaneous albinism complicated with squamous cell carcinoma, Bowen's disease and actinic keratosis.2014
Author(s)
Minakawa S, Kaneko T, Matsuzaki Y, Akasaka E, Mizukami H, Abe Y, Hozumi Y, Suzuki T, Mitsuhashi Y, Sawamura D.
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Journal Title
The Journal of Dermatology.
Volume: 41
Pages: 863-864
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] A case of oculocutaneous albinism complicated with squamous cell carcinoma, Bowen’s disease, and actinic keratosis.2015
Author(s)
Satoko MINAKAWA, Takahide KANEKO, Yasushi MATSUZAKI, Eijiro AKASAKA, Hiroki MIZUKAMI, Yuko ABE, Yutaka HOZUMI, Tamio SUZUKI, Yoshihiko MITSUHASHI, Daisuke SAWAMURA.
Organizer
73rd Annual Meetingof American Academy of Dermatology
Place of Presentation
San Francisco, CA.
Year and Date
2015-03-22
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