2014 Fiscal Year Research-status Report
Imiquimod乾癬モデルマウスにおける体内時計の関与
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26860874
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 典子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90345710)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体内時計 / imiquimod / 乾癬 / IL-23 receptor |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子clockによる乾癬様皮膚炎の制御を調べた。 時計遺伝子clock変異マウス及びWTマウスにToll like receptor7のagonistであるimiquimodを5連日(day1-5)剃毛した背部皮膚と両耳に外用し乾癬様皮膚炎を誘導した。臨床スコア(耳の厚さ、背部皮膚の紅斑、鱗屑の程度)は有意差をもって変異マウスで抑制されていた。あわせて頚部リンパ節ではIL-22産生gdT細胞の割合が変異マウスで少なかった。耳のmRNAの解析でも変異マウスではIL22が抑制されていた。このモデルではIL22はgdT細胞が真皮樹状細胞やマクロファージからのIL23をうけて産生される。WTマウスと変異マウスの耳のIL23p19のqPCRでは差がみられず、頚部リンパ節のIL23産生細胞の割合も差がなかった。 次にWTマウスおよび変異マウスの脾臓からgdT細胞を抽出しIL23で3日間刺激した。上清中のIL17aおよびIL22は、WTマウスで有意差を持って高かった。 vivoおよびvitroの結果よりIL23 receptorの発現に差があるか調べた。脾臓よりgdT細胞をMACSで抽出しIL23 receptorのqPCR、IL23Rの発現割合をフローサイトメトリーで確認した。mRNAレベル、蛋白レベルでWT gdT細胞の方が発現が高かった。またIL23 receptorのプロモーター領域にclockが結合するかgdT細胞を用いてCHIPアッセイを行ったところ、IL23 receptorをclockが直接制御していることが分かった。 以上より乾癬モデルにおいてIL23 receptorを時計遺伝子が調整することで症状が変動することが証明できた。この結果は体内時計という新しいコンセプトを乾癬の発症、治療に提供できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
clock変異マウスを用いてIL23 receptorがclock control geneであることを証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
imiquimodによる乾癬様皮膚炎のみならず、IL23を直接皮内に打って誘導する乾癬モデルでも同様にclock変異マウスが抑制されるか検討する。 IL23 receptorがclock control geneであれば、imiquimodを外用する時間によっても症状の差が出現することが予測されるので、外用する時間を変えて誘導する。
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Causes of Carryover |
イミキモドでの乾癬様皮膚炎誘導がスムーズに行え、使用したマウス数が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在乾癬モデルとしてイミキモドを用いたモデルを作成して実験をしているが、次年度にマウス皮膚に直接リコンビナントIL23を注射して皮膚炎を誘導するモデルをつくる。Il23 注射モデルでもclock変異マウスがWTより症状が抑制されるか検証する。 マウスリコンビナントIl-23に100万円、マウス購入代金30万、免疫染色抗体20万、qPCRプライマー20万、ELISA抗体20万、その他消耗品60万で見積もっている。
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