2015 Fiscal Year Annual Research Report
Imiquimod乾癬モデルマウスにおける体内時計の関与
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26860874
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 典子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90345710)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IL23receptor / clock / circadian / psoriasis / imiquimod |
Outline of Annual Research Achievements |
尋常性乾癬(以下、乾癬)は皮膚角化細胞の増殖が異常に亢進し紅斑や鱗屑などの皮膚症状を呈する慢性疾患である。IL-17やIL-22を産生するTh17細胞がこの疾患に重要な役割を果たしていると考えられているがその発症機序や病態、増悪因子およびその機序などは未だによく理解されていない。シフトワーカーは乾癬の発症リスクが高く、また乾癬患者では血圧の夜間低下がみられないなど、体内時計と乾癬の関連を示唆する報告があるが、基礎的な研究はされていないため谷内時計の制御をうけているか検討した。 主要な時計遺伝子の1つであるclockの変異マウス(clockΔ19)にToll-like receptor 7のリガンドであるimiquimodをマウスの耳と背部皮膚に塗布し、乾癬様皮膚炎モデルを誘導したところ、WTに比べてclockΔ19では乾癬様症状が顕著に抑制された。病変皮膚のmRNAレベルにおいてIL-22や抗菌蛋白S100A8がclockΔ19で低下しており、所属リンパ節ではIL-22産生gdT細胞が有意に減少していた。次にnaïveなWTおよびclockΔ19の脾臓からgdT cellを磁場分離し、リコンビナントIl23で3日間刺激し上清中のIL17およびIL22をELISA法で計測した。clockΔ19ではこれらのサイトカインの産生は顕著に抑制された。以上よりIL23Rに着目しnaïveなWTの耳より継時的にmRNAをサンプリングしqPCR法を行った。Il23Rは他の時計遺伝子と同様に日内変動をしていた。さらにgd T細胞のIl23Rが直接clockによって制御されていることをCHIPアッセイにて明らかにした。体内時計が乱れclockの発現が変わると乾癬の発症や症状にも影響があることが十分に予測される。体内時計という新たな視点は、乾癬の治療や発症を考えるうえで重要である。
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Remarks |
2015年業績
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Research Products
(4 results)