2014 Fiscal Year Research-status Report
ラマン分光装置用いたバリア機能障害を伴う皮膚疾患における角層天然保湿因子の解析
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26860880
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷崎 英昭 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90586653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚天然保湿因子 / ラマン分光光度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、皮膚の重要な機能である「バリア機能」と「水分保持機能」において中心的な役割を担っている保湿成分(天然保湿因子:Natural Moisturizing Factor(NMF))に注目し、共焦点ラマン分光装置を用いて、角質層におけるNMF含有量と皮膚表面から内部にかけての分布について非侵襲かつ無標識に詳細な解析を行うことを目的としている。 アトピー性皮膚炎患者の臨床検体を基に、NMFの保持量や分布・経皮水分蒸散量・pHについて疾患特異的なNMFの役割を詳細に検討する行うことを主として遂行し、多変量的な視点での評価を進めつつある。 ヒト検体と同時に、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた各種外用剤による治療の有無、さまざまな環境変化にともなう皮膚NMF含有量・分布の変化を解析しはじめている。ヒトと比して厚さの薄いマウス皮膚においても安定してデータを得る手法を確立し、より再現性のある結果を得ている。 平成27年度は、当初の計画通りアトピー性皮膚炎以外の乾燥皮膚をともなう疾患にも対象を拡大して実績を積み重ねていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アトピー性皮膚炎患者と健常者における皮疹部と無疹部、外用治療前後においてNMF含有量・経皮水分蒸散量・pHなどと併せて皮膚状態を総合的に解析できている。症例数も集積が進んでいる。 アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた各種外用剤による治療の有無、さまざまな環境変化にともなう皮膚NMF含有量・分布の変化を解析も上記の通り問題なく遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、多汗症・乏汗症などの発汗関連疾患や掌蹠を中心とする過角化をともなうヒト難治性角化性皮膚病変のNMFが及ぼす影響について解析を行っていく。 新たなデータの集積とともに、平成26年度に得た結果をもとに学会・論文発表も積極的に行っていきたい。 マウスにおける研究においても信頼性の高い結果を得、ヒト臨床知見に基づく病態解明に少しでも迫ることができるよう推進したい。。
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Causes of Carryover |
平成26年度の実験計画は予定通り進捗している。 国内・国外の学会発表がなく、試薬等効率よく使用することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には、研究成果の発表と関連する研究の情報収集のために国内外での学会を予定するとともに、マウス皮膚の解析に使用する抗体等購入しており、助成金使用に関しては問題なく遂行できると考えている。
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