2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性皮膚疾患の新規治療に向けた皮膚炎症におけるオートファジー機能解析
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26860897
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高木 敦 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (40459160)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / Atg7 / 皮膚角化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今研究の目的は、Atg7KOマウス皮膚移植片を用いて皮膚炎誘導下でのオートファジー反応系因子の変化を観察し、オートファジー反応系から炎症に対する新しい治療薬の可能性を模索することである。 初年度はAtg7KOマウス皮膚をB6マウスに移植し、接触皮膚炎やUV照射による皮膚炎におけるオートファジー反応系の変化を観察することが目的であった。また、SCIDマウスへのAtg7KOマウス皮膚移植による長期観察の研究を進め、本研究の基礎とし、比較対象できるようにすることも行った。 具体的な成果として、SCIDマウスへのAtg7KOマウス皮膚移植による長期観察の研究においてQuantitative RT-PCRやWestern blot法での解析を行い、ATg7KOマウス移植皮膚において皮膚角化関連因子であるフィラグリン、ロリクリン、インボルクリンの低下がみられ、オートファジーの欠乏が皮膚の分化に関与することを示した。特にフィラグリンでは高度の低下がみられることからアトピー性皮膚炎などの病態との関与の可能性も示唆された。 この成果は皮膚角化においてオートファジーがなんらかの関与していることを示唆する可能性を深めた。また過去におこなっていた組織学的解析では観察初期に比べて角化関連因子の減少が曖昧になる傾向がみられることから、ケブネル現象を示す乾癬などの皮膚疾患やアトピー性皮膚炎のようなバリア機能異常が存在し、易刺激性に皮膚炎を起こす疾患への関与が推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
B6マウスの移植皮膚の失敗とマウス繁殖の遅れなどによるマウスの供給不足により移植皮膚実験が遅れている。しかしながら、SCIDマウスの移植皮膚実験においては一定の成果が出ており、それまでの我々の研究結果を含めてArchives of Dermatological Research へ論文掲載が決定しており、一定の成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
B6マウスへのAtg7KOマウス移植皮膚の実験を推進していく一方、当初の予定にもある角化異常症や角化関連因子に関連のある各種皮膚疾患におけるオートファージ-関連因子の関与を免疫染色で解析を行う。
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