2015 Fiscal Year Annual Research Report
角質層から求める皮膚老化度 -新規老化マーカーの探索と評価方法の確立-
Project/Area Number |
26860909
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Research Institution | Shimane institute for industrial technology |
Principal Investigator |
牧野 正知 島根県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (30529582)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚 / 老化 / バイオマーカー / 紫外線 / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚は紫外線(UV)によって老化し、その結果生じた表現系変化を光老化という。光老化度の指標と成り得るバイオマーカー蛋白質の同定を見据えて、今年度は皮膚培養細胞とプロテミクス解析を組み合わせてUV照射により発現が変動する蛋白質の探索を中心に行った。まず実験に使用する紫外線の種類と暴露量について評価検討を行い、本研究では皮膚への透過率の高いUVA1波(340-400nm)を用いることとした。次に表皮角化細胞と真皮線維芽細胞に対し1日あたり5J/cm2の暴露量で一定期間照射した条件と照射していない条件を設定し、細胞試料を得た。UVA1照射によって発現が変動する蛋白質の同定には、安定同位体標識試薬(TMTラベル)を用いた定量的ショットガンプロテオミクスの手法を用いた。強陽イオン交換カラムによる分画を経てnanoLC-MS/MS分析を行ったところ、表皮角化細胞試料と真皮線維芽細胞試料から、それぞれ1582蛋白質と、1472蛋白質が同定できた。比較定量解析の結果、それぞれ16蛋白質と62蛋白質が、UVA1照射によって発現変動した蛋白質として見出された。このうちコラーゲン蛋白質については既に報告のあるとおり発現低下していることが確かめられた。その一方で、これまでに報告のない蛋白質も複数含まれていることが分かった。これらUVA1照射に関連する蛋白質は、今後、in vivoで光老化した皮膚を検証する上での指標になると考えられた。
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