2014 Fiscal Year Research-status Report
自閉症多発罹患家系の全エクソン解析に基づくリスク変異の同定
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26860917
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
江川 純 新潟大学, 研究推進機構, 講師 (80648527)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 全エクソン解析 / 多発罹患家系 / 分子遺伝学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害(ASD)の多発罹患家系において、稀な変異がその発症に重要な役割を果たすことが示唆されている。我々は、稀なリスク変異の同定を目的として、多発罹患家系の全エクソン解析とフォローアップ研究を行った。 多発罹患家系には計4人の罹患者(発端者、同胞1人、母方従兄弟2人)が含まれている。ゲノムDNAが得られた4人(発端者、罹患同胞、非罹患同胞、保因者と推定される母)について、全エクソン解析を行った。同定された稀な候補リスク変異を症例・対照サンプル(243対667)でタイピングした。 多発罹患家系の全エクソン解析により検出された変異(202,401個)について、1)カバーリード10以上(101,832個)、2)発端者と罹患同胞が共有(57,629個)、3)非罹患同胞は保有しない(6,342個)、4)母から伝達(4,047個)、5)ナンセンスまたはフレームシフト変異(22個)、6)変異アレル頻度0.01未満(2個)、の条件でフィルタリングを行い、RPS24遺伝子Q191X変異とCD300LF遺伝子P261fsX266変異を同定した。しかし、フォローアップ研究の患者243人と対照者667人の計910人においては、これらの変異は同定されなかった。 2つの稀な変異(RPS24遺伝子Q191X変異とCD300LF遺伝子P261fsX266変異)が、ある特定の家系においてはASDの発症に寄与する可能性が示唆され、その結果を報告した(Inoue, et al., epub Psychiatry Clin Neurosci)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した2年間の研究計画はほぼ遂行された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、他のASD複数罹患家系の全エクソン解析や本研究で同定した候補リスク変異の機能解析を行うなど本研究を発展させていく予定である。
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Research Products
(1 results)